#英国カツカレー事情 語句リスト

http://tricken.hatenablog.com/entry/2020/01/17/140000 の補足資料です。訳文以外の原文の解釈に関心のある方向けに、訳した際の検討語句リストも公開しておきます。*1

 

調べた語句は、訳者の方で便宜的に割り振ったパラグラフごとに分割しています。概ね元記事のパラグラフの通りのはずですが、リード文までとレシピ部だけは特殊なナンバリングになっています。
以下は自然言語処理に詳しい方向けの説明です。この語句リストのプレーンテキストデータを転用したい方がCSVExcelファイルに変換しやすいよう、語句と説明の間を半角コロン":"、各語句のあいだを全角セミコロン";"で区切っています。Anki*2などのサービスにインポートしたい方は、コピペしてファイルを作成すればそれだけでもう使えるはずです。どうぞご活用ください。

 

【00】;go wild: 熱狂する
【01】;foreign secretary: 外務大臣・外相;to be X: 将来ゆくゆくはXとなる(だろう);chicken tikka masala: チキン・ティッカ・マサラ(英国化したチキン入スパイスカレーのこと)
【02】;tastebud: 味蕾;tickler: くすぐるもの
【03】;Just in case: もしものために・万が一のために;dozing: doze(v. うたた寝する・居眠りする・ちょっと寝る);dieting: diet(食事制限する)の現在分詞;escalope: エスカロップ(薄切りの仔牛肉を揚げたフランス料理);Milanesa: ミラネッサ(ミラノ風仔牛肉の揚げものだが、イタリア料理か疑わしい);schnitzel: シュニッツェル(ドイツ・オーストリアにおける仔牛肉の揚げもの);incarnations: incarnation のpl. 顕現したもの・形を取ったもの・具現化したもの;meat fillet: ヒレ肉;beaten egg: 溶き卵;breadcrumbs: パン粉・パンくず
【04】;douse: {douse; douses; doused} 水中に突っ込む・水にぶっかける;insatiable: 飽くことを知らない・強欲な (in+satisfy+able で insatiable という成語か?);nursery-style gravy: 要議論。本文注釈参照;foil: 箔・包むもの・ホイル;act as a foil to X「(なにかの対照的な役割を担い、比較対象を)引き立てる」 その意味でのfolil は「箔つけ役」「引き立て役」と訳せる。;crunchy: バリバリザクザクさっくさくの;slice … into strips: 細切りにする;shredded cabbage: 千切りキャベツ
【05】;Bangladeshi: バングラデシュ(インドの隣国で、インド料理と慣習がやや近いが、オーセンティックなインド料理とは異なる。ここでは結果的なウマさではなく、料理における出自の真正性 authenticity を問題にしている);Glasgow or Birmingham: グラスゴーバーミンガム、いずれも英国のメジャーな都市;grumpy: 気難しい・気むずかし屋の
【06】;Japanese-Brazilian: 日系ブラジル人;larder: 食料貯蔵庫・食料品室;serve: 直訳では「供給する」だが、食事の文脈では「ふるまう(ふるまわれる)」がしっくりくる。;savoury: 味のよい、風味のある、香りのよい、辛味の、ピリッとする、塩のきいた、味のある、(道徳的に)健全な、りっぱな {savoury; savourily};tangy: 舌にピリッとする・そういう辛味や匂いのある
【07】;Brits: Britishes ないし Britain の略語かつ複数形。イギリス(人)=英国(人)のこと。「英国っ子」「イギリスっ子」くらいの砕け方か
【08】;thinly: (adv.) 薄く; cut it thinly 薄く切る;pan-fry: (フライパンの上で、油で、)炒める;simmer: 煮る;Emperor: 日本の文脈では「天皇」。ただしこの場合は、令和時代の今上天皇を指しているわけではないようで、むしろ明治・大正・昭和・あたりの(すでにお隠れになったあたりの)近代天皇のことをイメージしているようだ。
【09】;But none of that V : だがそのどれもが……ではない(行為・対象にはあたらない);anglicised: angricise (見た目などを)英国風にする;countless: 数え切れないほど多くの; in countless ways 数えきれないほどのやり方で
【10】;Boy: 要議論。本文注釈参照。;do we love it: 大好き※ 倒置により、だいぶ強調されている表現になっている);proving so popular that: 人気になっている証拠として (that節以下)だ;canteens: canteen のpl.(社食・購買・売店・軍事施設の酒保)
【11】;far and away X: 断然Xである・ダントツでXである;takeaway bars: テイクアウトバー、持ち帰り専門の食事・弁当を売る店舗形態を指す;Chozen Noodle: チョズン・ヌードル社(アジアンダイニングバー事業);Yo! Sushi: ヨー・スシ社(アジアンダイニングバー事業)
【12】;Wagamama: ワガママ社(レストラン経営事業者);business development director: 事業開発責任者;still continues to grow: 今も伸び続けている(成長し続けている)
【13】;5 million: 500万(ここではカツカレー500万食ということ);strikes the right balance between A and B: 折り合いをつけてうまく両立させる・均衡させる(AとBとの間の)
【14】;unkind to X: 不親切である(Xに対して);waistline: 胴回り・ウエストライン
【15】;sticky rice: もち米;a bed of brown rice: 要議論。本文参照;dressed leaves: ドレッシングをかける (dress) の過去分詞+葉っぱで「ドレッシングをかけた葉物野菜・生野菜」という意味になるか。;Japanese pickles: 日式のピクルス→日本の漬物
【16】;the chain: 要議論。本文注釈参照;vegan: ヴィーガン;seitan: セイタン=小麦から作られた代用肉のこと。由来の面倒臭さについては本文注釈を参照。
【17】;accommodate: 便宜を図る・融通する;gluten-intolerant eaters: グルテン不耐症の人びと;dairy-free: 乳製品を含まない;slaw: coleslaw つまりコールスロー(刻みキャベツを主原料とするサラダ類)の短縮形。単に刻みキャベツの場合もある?;victorious: 勝利を得て勝ち誇る;head of food: 食料品担当責任者・食糧長・店長
【18】;the ubiquity of...: それがどこにでもあること・ありふれてしまっていること・月並みなものになったこと(文法的にはいわゆる名詞構文にあたる。名詞構文のときは、主語にあたる部分を述語的に読み替えるとよい);weary of doing: 疲れ切ってしまう・くたびれてしまう;crop up: 突然生じる
【19】;denting sales: 売上の減少 (denting は 窪み・凹み・落ち込み の意味);kits: この文脈では、「レトルト食品」よりは簡易でないけれども、それだけで料理が始められる meal kits(食品キット)のことを指すらしい。meal kit delivery service という配送事業形態も海外ではより普及しているとか。;wraps: トルティーヤなどの「包み型サンドイッチ」を指す;Sainsbury's: セインズベリーズ。英国の小売店舗・スーパーマーケット事業のBIG4の一角(テスコ、セインズベリーズ、アズダ、モリソンが英国小売BIG4とされるもよう);toddlers: よちよち歩きができる程度の発達段階にある乳児;in its own baby food range: (栄養素構成などに厳しい制約のある)自社のベビーフード部門の範囲で
【20】;Waitrose: ウェイトローズ(英国の小売店事業者);ready meal: インスタント食品
【21】;retailer: 小売業者;sweet potato: サツマイモ;slather: たっぷり(バターやハイカロリーな食品を“たっぷり“厚塗りするときなどによく使われる)
【22】;a rise in popularity of: 〜の人気が増している;cuisines: (集合的あるいは流派的に)○○料理;-themed: ○○をテーマにした;steadily increasing: 急速に増加している;staggering: よろめく(ほどの)・圧倒的な・;
【24】;outdone: outdo (vt. ニ勝る・ヲしのぐ)の過去分詞;mishmashery: mishmash(ごたまぜ・寄せ集め)に関係する語句か? 明確な辞書説明がヒットせず;dinnertime favourite: 定番料理;immensely: とてつもなく・莫大な
【25】;turn in their graves: 墓の下で嘆く;More over. : (命令形として読む場合は)「ちょっとそこどいて」「私が座りたいので席を詰めてよ」の意味
【付録レシピ】;McCoy of: 正真正銘の・高品質でホンモノの(語源は諸説あり);tbsp: テーブルスプーン(大さじ);garlic cloves: にんにくの分割した1片の単位を clove で数える。;sunflower oil: ひまわり油;mange-tout: サヤエンドウ;blanched: 茹でる のpp.;infuse: 滲出させるの意味だが、料理文脈では「なじませる」と訳すこともできるか。;courgettes: ズッキーニ;Japanese hot curry tablets: 日本の固形カレールー(板状で割って使うので、たしかにタブレット型と言える)

*1:最初の数日は元記事の末尾に全部載せていたのですが、「読み切るべき範囲」がぱっと見わからなくなるため、別項目に切り出すことにしました。

*2:apps.ankiweb.net