藤原聖子『教科書の中の宗教:この奇妙な実態』(2011,岩波新書)

教科書の中の宗教――この奇妙な実態 (岩波新書)

教科書の中の宗教――この奇妙な実態 (岩波新書)

 この書籍は、2006年から2008年の間に行われた科研費基盤研究B「世界の公教育で宗教はどのように教えられているか:学校教科書の比較研究*1の調査研究の成果に基いて執筆されている。実際、この研究プロジェクト自体には大きな意義があったことと思われる。
 ただ、少なくとも「この岩波新書」一冊に限って言えば、科研費事業を通じて得られた観察が組織化されていないように見える。
 本書の構成がこのようになってしまった理由を推察するに、以下の点が、議論の収斂をみないまま個別に指摘されるにとどまっているためと思われる。

  • (1) 日本語圏の宗教教育の記述が、世俗的倫理を肯定するために粗雑に転用されていること。
  • (2) 日本の倫理教科書におけるキリスト教仏教の記述が多面にわたり誤謬やミスリードに満ちており、宗教学的理解として半端な記述のまま普及してしまっていること。
  • (3) 日本の倫理科におけるワーディングが、さらにセンター試験等の受験的都合により整理困難に陥っていること。
  • (4) 海外では「現代の宗教者」どうしでの文化多元主義的なコミュニケーションが宗教教育の主軸となっているのに、日本ではその導入が遅れている(あるいは難しい)こと。
  • (5) 日本の教科書会社にそもそも予算がないため、上記のような問題を解決に向かわせるような経済的余裕がないこと

 ひとつひとつの論点は、なるほど確かに重要である。そして、著者の参加した科研費プロジェクトは、主に (4) の状況を学術的に高度な水準で調査したことによって得られた知見であり、他国の先駆的な例と日本の教育状況との差をうまく伝えている。
 しかしながら、これらの(1)-(5) の問題は、同時に扱ってうまくいくようなものではなさそうである。問題の種類が微妙に異なっているからだ。そして本書の記述は、残念ながら、「それらの問題が、あるよね……」ということを紹介したところで、力尽きているようにも見える。
 
 結論だけに注目すれば、著者による理想的な宗教教育は「伝統的宗教と世俗的倫理の両方を知り、では自分はどうするのかを改めて考え」(p.216)てもらう機会を設けるものだと、読み取れる。しかし、本書を読み通しても、それを実際に日本語圏の倫理科教育で実現するためのロードマップの呈示にはほとんど至っていない。そのため、終盤に至っては、先に引用した部分である教科書原稿用のテキストが「ボツになってしまった」(p.216)と愚痴ることで締めくくってしまっている。

 だが、そうした結末を、単に著者の力量不足に還元してよいわけでもなさそうだ。同書の著者が、教科書執筆にあたっての座組について、このように述べているところからは、現場に立ち入って悩み抜いた著者の苦心が読み取れる:

 今回の〔引用者注:倫理科の教科書〕改訂にかかわる中で、筆者がもっともストレスを感じたのは、アドバイザーである高校の先生方に、出版社が会わせてくれなかったことである。どの出版社も、教科書の原稿に対して、何名かの高校教員に意見・要望を出してほしいと協力を依頼するようだが、少なくとも私がかかわったケースでは、ディスカッションの場はなかった。出版社の編集担当を介して、間接的にやりとりをして原稿を検討するのである。出版社に直接確認したわけではないので推測になるが、おそらくそうするのは、執筆者側が大学教員である場合、直接ひき合わせると高校の教員は遠慮して意見を言わなくなると思っているから、あるいはそのような検討会を設けると余分な時間と労力がかかるからではないか。検定を受けるために教科書制作にはタイムリミットがあるので、効率を優先させたいという事情もわかるから、長年の慣例に反してまで、協力者の先生と議論させてほしいとは言いだせなかった。だが、「伝言ゲーム」では、互いの意見の意図が十分にわからない。とくに今回のように、宗教に対する根本的な見方の違いから発する問題などは、時間をかけて話し合わなければ通じるものではない。
(同書 pp.200-201)

だが、それだけの重大な壁が立ちふさがっていることまで判明していたのであれば、いっそ高校の先生方へのインタビューも含めて、宗教教育学的な課題として踏み込んでいったほうがよい、とも言えないか。つまり、教科書会社に組織体力面で期待できないのであれば、ここから高校の倫理科教諭と連携して、教育実践の更新へと取り掛かるような、そうしたロードマップを敷き直す宣言を行ってもよかったのではないか。そしてともすれば、そうした方向での研究計画の実施ということさえ、可能ではないか。ifの話ではあるけれども、そのような方向性も示唆される記述だった。

『教科書の中の宗教』目次
001 1章 教科書が推進する宗教教育――日本は本当に政教分離
021 2章 なぜ宗派教育的なのか
055 3章 教科書が内包する宗教差別
117 4章 なぜ偏見・差別が見逃されてきたのか
137 5章 海外の論争と試行錯誤
181 6章 宗教を語りなおすために
223 あとがき
主要文献

2017.09-

近況

  • 08月中に誕生日を迎えました。お祝いの品を下さった方、ありがとうございました。書籍、お酒、食べ物、文具、いろいろ贈呈していただきました。恵まれた人生だ。
  • 先の見とおしはよかったりよくなかったり。いずれにせよ、それなりにできることを、そこそこやりながら生きています。情熱が一頃よりあるんだかないんだか、が自分ではわかりません。
  • 今の仕事については、伝える機会があれば人に伝えてる、という程度です。
  • ときどきの出来事に関するそのつどの正負に関わりなく、あまりによくわかんない人生すぎるため、人に説明するのを諦めてしまいました。でもそれでちょっと楽しくなってきた。今できる範囲で技能を挙げられればそれでいいや、って思って暮らしてます。
  • スガフェスWEST*1と、11月の『Va11-ha-ll-A』Vita版*2を楽しみにして生きています。
  • 日本語とも英語とも、向き合う時間が長くなってもあまり疲れなくなってきたのが一番うれしいことです。(昨年度は、読めるようにはなってきたけれど、まだすぐに疲れていました。)
  • ここ数ヶ月で食べて美味しかったものは、大阪ロッダグループのギャミラサ*3と、北野白梅町ヌーラーニのブラックマトンカレー*4、あと魚金秋葉原店の刺身盛り*5です。

活動方針

  • 発言数自体を以前の水準寄りに戻しつつあります。ただ、これ以上は増えなさそうです。
  • 友人知人を中心とした宣伝系ツイートはRTはするようになっていましたが、最近また多少増やしています。(単なる意見は、発言の良し悪し関係なく、変わらずRT対象から外しています。)
  • 読書記録のようなものは暫く書かないでいたのですが、公開してよいと思ったものについては書くようになりました。
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【書評】吉田拳『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』(2014,技術評論社)

たった1日で即戦力になるExcelの教科書

たった1日で即戦力になるExcelの教科書

紙で読んだ。2014年11月25日初版、手元にあるのは2016年10月01日初版第14冊(よく売れ、重版しているらしい)。

以下、投稿したAmazonレビューのBlog版です。改訂記述はAmazonレビューではなくこちらに記載します。

概要紹介

とても優れた観点から、順を追って丁寧に書かれた本だ。Excelについてわからなかったこと、知らないで無自覚に損していたこと、Excelでこうしたいと思っていても叶わなかったこと、などを基礎から一通り再学習することができた。

この本の教科書としての美点は、ある3つの配慮のコンビネーションによって成り立っていると思う。それは何かといえば、

  • (a)「Excelのスキル」を【関数】【機能】【アイデア】の三領域に敢えて分類してみせた上で、
  • (b) それぞれを別個のものとして把握できる説明を行いながら、
  • (c) 【アイデア】の見地から【関数】や【機能】を組み合わせる、というストーリーを持って記述されている

ということだ(pp. 25-26 あたりの、著者の見解を私が敢えて要約すると、こうなる)。

Excelの【関数】だけなら、ググれば出て来る。Excelの個々の【機能】や仕様は、公式のヘルプやリファレンス的解説本を読めば、大概のことはわかるだろう。でも、「ある仕事のために、こうしたい」というアイデアの難易度に応じた【機能】と【関数】の組み合わせを実地でどのように考えてゆけばいいかについての情報は、意外とググるだけでは出てこない。本書は、そうした潜在的読者の需要、つまり「Excelの単なる仕様ではなくて、Excelの基本的な運用の勘所について、順を追ってトレーニングさせてくれる本」に、けっこう独特なやり方でもって応えてくれた。

著者が本書の冒頭で【関数】【機能】【アイデア】を敢えて分類してみせたことのほんとうの威力は、基本的な関数や機能を説明し終えた後の中盤以降にやってくる。中盤以降、たしかに新しい【関数】、新しい【機能】はそれなりに登場するし、読者はそれらを逐一覚えようとすることもできる。けれど著者の着眼点は、そこにはない。6つの基本的な関数(著者いわく「6大関数」)、9つの初歩的な機能、いくつかのコンピュータ操作的な前提知識を紹介した後は、それらをひたすら組み合わせていくことを推奨している。中盤以降に出てくる関数は、あいかわらずCOUNTIF関数やVLOOKUP関数のことばかりだ。でも、その関数の基本型の前後にくっつく別のtipsが少しずつ増えていく。

この本で著者が【アイデア】(あるいは工夫)と呼んでいることは、関数や機能やその他の前提知識をどう繋ぎ変えていくか、そのコツを憶えていくこととほとんど同義だ。それ単体なら誰でも知っているExcel小技のひとつひとつを、誰でもは知っていない“複合体”にまでそのつど組み上げていくための考え方を、この本は伝えようとしている。そういう思考過程の記述も含めて、挑戦するだけでなく、あるていど成功してもいるExcel教科書本は、とても貴重だ。

ただし、そうしたコンセプトのために、少し読みづらい点もある。その読みづらさは、【アイデア】や【関数】について説明されているくだりの随所に、サラッと重要な【機能】についての説明が挿入されているために起きているようにみえる(この難点については、後で提案も含めて改めて述べる)。【関数】【機能】【アイデア】を一揃いのものとして語るアプローチそれ自体は間違いなく優れていると言えるだけに、何かもう少し編集上の工夫はなかっただろうかと残念に思う。同書の改訂版に期待したい。

細かい点

細かい褒めどころも書いておく。

【関数】については、IF,SUM,COUNTA,SUMIF,COUNTIF,VLOOKUP の6つの関数を「〔Excel仕事における〕6大関数」として括ってみせ、それらがいかにExcel仕事に大きく貢献するかを述べた、第3章が優れている(pp.67-94)。本書全体が、この関数(特にVLOOKUP)をどう使いこなすか、どう位置づけるか、という話に捧げられていることも加味すると、とりあえずこの部分だけは理解しておかないと、他の部分を教科書として読解することが難しくなるはずで、その点でもとても重要だ。他の章でも細かい関数の紹介はあるが、それらを覚えるより、この6大関数という“思想”を敢えて受け入れてみることを優先した方がいいと思う(#ただ、「6大関数」という呼び方はこの著者独自のものだと思うので、職場などで「6大関数がね……」と言うのは時期尚早かもしれない。著者のファンであることを言って憚らないのであれば、べつにいいけど……)。

【機能】についても、「確かにこれは、知らないと損だったわ……!」と震えるものを厳選して紹介していて、ありがたかった。

けれどこの点は読者の文脈に依存しそうで、どれそれが載っていたからよかった、という褒め方は難しそうだ。たとえば自分にとっては、検索置換やウインドウ枠の固定、シリアル値の仕組みなどは、どちらかといえば「常識」に属することで読み飛ばしてしまったけれど、F4で絶対参照切替が簡単にできることや(pp.64-5)、オートフィル機能における「黒十字」(p.109)の仕様や、Excelにおいて「データベース形式」が成り立つ条件(p.226)などは、「なんで今まで誰も教えてくれなかったの!?」と愕然とするようなものだった。しかし、この世のどこかには、オートフィルやデータベース形式について深く理解していながら、検索置換コマンドやシリアル値の仕様について全く知らないで苦労している方もいらっしゃるかもしれない。Excelの【機能】に関する知識は、そうした「ぶっちゃけ常識でしょ〜」と「知らなかった……つらい」が、一人の頭のなかで深く断絶していることによって頭打ちになるのかもしれないと、この本を読んで思った。Excelの【機能】について詳しく述べている中で、「これはどんな分野の職場であれ、定期的に全員相互に知っているかチェックしておかないと、つらそうだ」と思ったものを、一覧にしてみたので、参考にしてもらいたい。(ちなみに下の表もExcelで作った。コピペしたら、tsv形式であなたのExcelのセルにハマるようになっているはず)

pp.27-30 ショートカット一覧
pp.35-41 おせっかい機能の排除
pp.58-60 演算子の基本書式(#特に、結合演算子 "&" は知らないと辛い)
pp.61-63 F2(式の編集モードへの移行)
pp.64-65 F4(相対参照から絶対参照への切替)
pp.110-118 オートフィル/連続データの作成/ROW関数
pp.128-132 VLOOKUP関数の仕様が重複に弱いという仕様について
pp.190-225 条件付き書式/罫線/入力規則/入力規則を半角英数にする/ドロップダウンリスト化
pp.229-236 ソート(並び替え)機能
pp.237-240 値を選択して貼付け
pp.240-249 演算オプション
pp.250-252 CSVの区切りをセルにインポートする工程
pp.253-256 空白セルへの一括入力
pp.256-260 検索と置換
pp.268-269 ウインドウ枠の固定

(20170824, N6)

Chromebook にLinux (Xubuntu) をcroutonデュアルブートで導入して正規表現エディタと英辞郎を搭載するまでの一連の手続

職場の先輩から「このChromebook、買っただけで結局使えてないんだけど、何か仕事に使えるかな? ある程度は弄ってくれてもいいので、好きに使ってみて」という、比較的ゆるめの提案を貰った。

期限も強制性もなにもないタスクだったので、自分の側でも仕事の合間にぼんやり考えているだけだったのだけれど、そのうち色んなことを思いつきはじめた。
ChromebookLinux系OSが走ると面白いのではないか?」「たかだか2万円から4万円の、しかし端末としては新しいPCに軽量Linuxが入るなら、(たとえば自分を含む)貧乏人にとっても今後のリスク軽減になるのでは?」「オフラインで正規表現エディタと英辞郎系辞書アプリ(Stardict)が動くことが証明できれば、後は好みのサイズで携行仕事マシンができてしまうのでは?」
こんな諸々の考えを、このマシンで実験してみたい気持ちがムクムクと育ってしまった。その思いつきの導くままに、この半月ほど色々試してみた。2015年初頭ごろ、自宅で腐っていた*1WinXP以前のノートPC群に軽量Linuxディストリビューションを入れて遊んだ経験が、こんなところで役に立っている。*2

結論だけ先取りすると、ほとんど新品同様のChromebookに、表題の通りの実装を与えられた。しかし、その手前では、大きな失敗をひとつ経験し(GalliumOS導入の失敗)、その後の別解を試した後も、単一の記事だけ観てそのままマニュアル通り従う、とはいかない道のりを経験した。本記事は、その経験を逐次書き並べ、 (1) ある Chromebook ノートPCに GalliumOS を導入しようとして失敗した実例 と、(2) Chromebook に crouton 経由で Xubuntu を導入した後に、日本語環境、正規表現エディタ英辞郎データ移植をすべて順に済ませた実例 の二つを紹介することを目的としている。個々の目的に応じた記事は注釈にURLを豊富に紹介しているので、参照していただきたい。*3

(なお当方(tricken)のPC知識は、他のLinux使いの方とは比較にならないほど貧弱です。以下、今回の作業に関連する範囲でのPC技能水準を書いておきます。)

  • Windows/MacOS/LinuxGUIについてはほとんど苦労なく設定を操作できる。主にMacbook使い(2011MidのMBA、2015のMBPが現在の愛用機)。
  • ごく単純なコマンドラインを書くことはでき、ターミナルで「このようにしなさい」と指示された内容は、概ね理解した上で実行できる。ただしシェルクスリプトを自在に書けたりはしない。
  • 正規表現はある程度まで読み書き可能(少なくとも、正規表現を前提として書かれた文字列を前に当惑したりはしない)。またExcelとtsv(タブ区切りテキスト)とを、正規表現、コピペ、インポート/エクスポート、関数利用などを用いながら力技でデータクレンジングをしたりすることもある。
  • プログラムは全く書けない。Python入門挫折中、Javascript入門書積読中。
  • LinuxBean, PuppyLinux, Ubuntu, LinuxMint, openSUSE を中古PCやMacbookに導入した経験あり。*4

非Haswell系Chromebookに対するGallium OS導入の(かなり特殊であろう)失敗例

はじめは Chromebook に最適化されていると言うLinux OS、Gallium OS〔ガリウム・オーエス〕を入れようとしてみた。*5

しかし、実際にGalliumOSを入れられるかは、Chromebookごとに採用されている個々のCPUの型番に大きく依存するらしかった。そして少なくともこのChromebookについては、Gallium OSを入れることを断念せざるを得なかった。Acer Chromebook 15 は 、別名を CB3-532 といい、その型番でGallium OS公式Wikiを検索すると、搭載された Intel Braswell は、Gallium OSに必ずしも向かないものだということがわかった。一通りのファームウェアアップデートを終わらせた後、他の導入記事に書かれた通りにOSインストールを進めると、Gallium OSのロゴが表示され、「よし、巧く行ったか」と思った矢先に、エラー画面と再起動画面もが十数秒ごとに明滅を繰り返すという特殊バグに遭遇してしまった。*6

crouton経由でのXubuntu導入とその後の作業の手順覚書

そういうわけで、Gallium OS を入れるのを諦めた後、一週間ほどの倦怠期を経て、crouton によるXubuntu〔ズブントゥ〕導入をしてみることにした*7。これが結果的には、Gallium OS というハードウェア(&ファームウェア)依存のLinuxディストリビューションを入れるよりも、ずっとすんなり巧くいった。

Xubuntuを導入して、日本語化、正規表現機能付きエディタ、英辞郎を全て揃えた手順を、以下に記述する。*8

  • ChromeOSのリカバリディスクを作る。作成にはUSBメモリが必要。*9
  • ねんのため、ChromebookをPowerwash する。Powerwash とは、Chromebook/ChromeOSにおける「初期化」のこと。*10
  • Powerwashした後、Chromebookのストレージ容量がどの程度残っているかを確認する。5GB以上残っていれば、Xubuntu を導入するには十分。今回の実機では約23GBの空き容量があった。余裕である。*11
  • Chromebookを「デベロッパーモード」にする。これを行わないと、Linuxインストールのための諸々の入力ができない。*12
  • デベロッパーモードで再起動がかかったところで、CTRL+Dを押す。これで「“デベロッパーモードの”ChromeOS」に入れる。
  • ChromeOSにログインし、無線LAN等の設定を行う。
  • crouton 導入用のスクリプトをダウンロードする。これは後でcrouton本体をダウンロードするための準備ファイルのようなもので、これ自体のファイルサイズはとても小さい。*13
  • ターミナルを起動する。やり方は二通りあって、
    • (a) ChromeOSを使用している時にCTRL+ALT+Tを使って、ブラウザ内にターミナルエミュレータを起動させるやり方と、
    • (b) ChromeOSを使用している時に、CTRL+ALT+F2(F2=Chromebookにおいては、ファンクションキーの左から2番めの、「⇒」と書かれているキーのこと)を押して、ChromeOSのターミナル本体を立ち上げるやり方 とがある。
    • どちらでもOK。
  • ターミナルを起動した段階で、shell と入力する。これはChrome専用のシェル(crosh)から、bashと呼ばれる、Linux関連のコマンドを一通り打てるシェルのモードに移行するために必要なコマンドである。bashに移行してからでないと、croutonをインストールすることができない。*14
  • croutonを、以下のコマンドで改めてダウンロードする。
$ sudo sh -e ~/Downloads/crouton -r trusty -t xfce,keyboard,audio,extension,chrome
  • 途中で何度か質問されるが、適当に答える。(何を答えなければならないかは忘れたので、後で調べて補完したい。)質問がターミナルに出てこない時は、ずっとインストール処理の報告が出力され続けていて、概ね30-60分くらいで終わる。暫く放置して別の作業をやっているくらいでちょうどよい。
  • インストールが終わったら、ChromeOSのターミナルで、以下のコマンドを入力する: "sudo startxfce" *15
  • これで Xubuntu が起動する。この段階までに何か失敗した場合は、以下のコマンドでまるごと削除を行う。
$ cd /usr/local/chroots/
$ rm -rf trusty
  • 次に日本語化の処理を行う。(a) 日本語環境自体のインストール と (b) 日本語でのキーボード入力を可能にする設定の修正 とがあり、後者は一文字でも間違えると、せっかく導入したXubuntuコマンドラインから立ち上がらなくなる不具合が発生するため、特に慎重に行うこと。*16
  • 日本語入力ができるようになったところで、トラックパッドタッチパッド)の設定を微調整する。そのままだと、手のひらがちょっと掠っただけでマウスポインタが誤動作してしまうため、好みの調整を最低限GUIでできる範囲でもやっておく必要がある。*17
  • 正規表現エディタを導入する。おすすめはJeditJAVAによるクロスプラットフォームアプリ)*18か、Atomクロスプラットフォームの開発環境アプリ)*19。どちらもデフォルトで正規表現機能が使える。geditもUIや挙動自体は良いが、自分の環境では正規表現プラグインの追加だけ、どうにもこうにもうまくいかなかった。*20
  • Stardict*21のインストールのため、コマンドラインを打つ。"sudo apt-get install stardict" と書く*22
  • Stardictのコンパイルに使う Stardict Toolsのインストール。こちらはコマンドラインで "sudo apt-get install stardict-tools" と書く。(なのに起動する時はコマンドラインで "stardict-editor" と打たないと出てこない。名称ややこしくないか。)このstardict-toolsおよびそのアプリ名称としてのstardict-editorは、後で使うことになる。
  • ついでに nkf と呼ばれるコマンドラインもapt-getしておく。これは英辞郎の基データの文字コードを確認したり変換したりする時に使うことになる。
  • さらに iconv と呼ばれるコマンドラインもapt-getしておく。これもnkfと似た機能を持つもの。最終的な基データの変換はiconvで行うこともあるようです。*23
  • 英辞郎の基データを抽出する作業を行う。*24Windows(自分の場合はWin10 ProをMacbookPro上で、BootCamp経由で、デュアルブートしています)で動いているPDIC上の英辞郎を開き、File>辞書設定(詳細)>辞書設定ダイアログ>EIJI-XXX.dic (#XXXは手持ちの英辞郎のバージョンに対応する数字が入る)を表示させる。これを(ひとまず英和のみ)右クリックし、「辞書の変換」を選択。ダイアログが出るので、変換先ファイル形式として「PDIC1行テキスト形式」を選択する。
  • 取得したPDC1行テキスト形式のデータを、Linuxマシンのホーム上にコピペする。
  • nkf コマンドラインを使って、コピペした英辞郎の基データの文字コードを確認する。*25
  • 文字コードが確認できたら、今度はiconvコマンドでUTF8対応の(Stardictに適合する)テキストデータを生成する。*26
  • Linux対応の正規表現エディタ(先程導入したJeditAtomプラグインが巧く導入できた場合のgeditなどのことです)に、UTF8変換を終えた英辞郎データを読み込み、2つの置換処理を行う。
    • (a)「///」を「¥t」(つまり正規表現における「タブ」)に置換する。
    • (b)さらに「¥」を「¥n」(つまり正規表現における「改行」)に置換する。*27
  • コマンドラインで "stardict-editor" を起動し、そこに置換処理を終えたタブ区切りテキストを読み込ませ、stardict形式のデータを生成する。*28
  • ここまでうまくいけば、拡張子がそれぞれ異なる3つのファイルが生成されているはず。XXX.dict.dz, XXX.idx, XXX.ifo の3つ。これらを全て、 /usr/share/stardict/dic の下に置く。
  • Stardict (ないしXubuntu全体)を再起動すると、ようやく英辞郎式に英和辞書が読み込めるようになっている。

以上の工程を経て、「crouton経由でXubuntuを入れ、日本語環境を一通り構築した後に、正規表現の使えるテキストエディタを入れて、Stardictに英辞郎データをコンバートすることで、ChromebookLinux系文書マシンになれる」ということが一例ぶん、実証できた。Chromebookやその他の二軍落ちノートPCをLinuxモバイルノートとして蘇生させたい人の参考にしていただきたい。

なお、このcrouton経由のXubuntu起動がでしたあとも、ChromeOSを十全に起動させることができる。オンラインならChromeOS、オフラインでXubuntu、という使い分けも可能な状態に持っていける。ただし、ChromeOSのデベロッパーモードを解除すると、導入したXubuntuは設定ごと消えてしまう可能性が高い(試していない)。なので、ChromeOS起動後のオプションには十分警戒して操作する必要がある。

余談: 2017年以降のバイブルサイズノートPC(typeP-like UMPC)について

ところで、2017年は GDP Pocket *29 や Gemini *30などの、Vaio Type P に近い計上のバイブルサイズのノートPC (UMPCと言うらしい)がリバイバルしているようで、散歩ついでに何かモノを書くという目的のため、そういうサイズ感のものが欲しいなあと思っていた。Gemini PDAUbuntu対応のマシンらしいので、今回試した手順をそのまま移植することができそうだ。さらに、上記二つは英語キーボードだが、日本語キーボードをご所望の方には、今後KS-PRO *31 というのも出るようだし、だいぶ楽しいことになってきた。

*1:使われず放置されていた、という意味でも、セキュリティ水準がWin7以降と比較してもはやオンラインで繋げて安全に使えるものではないという意味でも、腐っていた。ついでに言えば、実家に居た自分自身もわりと腐りかけていた。

*2: https://twitter.com/tricken/status/706337494447468544 ほか #rd_tr d003 (2016.03月, Linuxまわりのあれこれ 参照 https://sites.google.com/site/falletinsouls/rd_tr

*3:逆に、今回の記事のように、やや複合的な目的と条件とマシン相性とを伴ったLinux導入の記事は、ググってもなかなかひっかからなかった。

*4:このへん、蘇生魔術っぽい萌えポイントを軽量級Linuxディストリビューションに勝手に見出しているのかもしれない。

*5:Gallium OS を導入した際に参考にしたのはこちら:https://tanstaafl.0pt.jp/posts/2016/12/17/65b6078c14a5/ このサイト主によるインストール報告は、購入したChromebookファームウェアがHaswellだったから導入が巧くいったのだろうと思われる。Chromebook で Haswell ベースでない多くの実機は、コマンドライン経由でファームウェアに関する幾つかのアップデート作業を行ったり、物理的にノートPCの裏板のネジを外すなどリスキーな対応を迫られることになる。Gallium OSを選ぶのは、実はChromebook全体に対して優先的に考えられる選択というわけではなかったようだ。Gallium OS公式のファームウェア対応についてはこちらを参照。https://wiki.galliumos.org/Firmware

*6:類似の問題は、Braswellを搭載した別の Chromebook でも起きているようだった。Asus 202a braswell blinking/flashing screen after install https://www.reddit.com/r/GalliumOS/comments/5juby5/asus_202a_braswell_blinkingflashing_screen_after/ や、Looping black screen at boot (TERRA, SETZER, BANON, ...) -- Xorg fails to start with new ChromeOS firmware #320 https://github.com/GalliumOS/galliumos-distro/issues/320 を参照。これらの英文をじっくり読めば導入できたかもしれないのだが、いずれにせよ物理ネジまで踏み込むリスクがあるのにそこまで頑張れなかった。結局croutonで物理的な改修を加えずにうまくいったので、頑張らなくて正解だったということになる。

*7:Linuxディストリビューションのうち、近年のWindowsMacOSに近いフィールを持つLinux系のディストリビューションとして、Ubuntu〔ウブントゥ〕というものがある。Ubuntuは商用のOSにも迫る便利なLinux OSとして人気がある一方、ディスク容量やマシンパワーの足りないPCに入れようとすると様々な不具合が生じる重量級OSでもある。そうした事情もあり、貧弱なマシンスペックにもUbuntuを入れられるよう、軽量化を試みたディストリビューションもさまざまに開発されている。Xubuntuは、そのUbuntu系のうち、最も軽量とされるもののひとつ。なお、Linux軽量ディストリビューション単体で見た場合はLinuxMintやBasix、LinuxBeanといったディストリビューションも選択肢としてあった。今回それらを選ばなかったのは、croutonでLinuxを導入する手続きの中で見つけやすく導入実績が見つけられたのがたまたまXubuntuだけだったから。

*8:基本的には、Neoさんの 2017年の記事「crouton を使って ChromeBookXubuntu 環境を構築する」http://neos21.hatenablog.com/entry/2017/01/08/234540 に従った。ただし、自分の扱うChromebookはタッチスクリーン対応ではないため、この指示の前半に関しては適宜参考するに留め、実際には後述する他のWeb記事を参考にしている。しかしもし、この記事を読んだ人がたまたまタッチスクリーン機能のついたChromebookにこの手法を試したいと考えたならば、上掲記事のコマンドラインをほぼそのまま適用できるはずである。タッチインタフェースの有無は、コマンドラインの書き方、そしてその後のインストールの成否に大きく関わる話となる。まずは各自の手元のChromebookがタッチスクリーン機能を持つのか持たないのか、それを確認してからcroutonの具体的な導入手続を検討し始めていただきたい。

*9:リカバリディスクの作成手順はこちら。https://support.google.com/chromebook/answer/1080595?hl=ja このページから辿れる「Chromebook リカバリユーティリティ」というChromeアプリを使って、リカバリディスクを作成することになる。これを作成した後のリカバリユーティリティへの移行手段などもここに書かれているので、一通り目を通しておくことを推奨する。

*10:設定方法はこちらの後半部分をどうぞ。 https://tomokimatsubara.net/therealpowerofchromebook/

*11:ストレージ容量の確認方法はこちら http://chromebook.techblog.jp/archives/20151004/1041807615.html

*12:デベロッパーモードへの移行の仕方については、こちら http://chromesoku.com/chromebook-devmode/

*13: http://qiita.com/yasuki/items/f6a8a350087517b0069b の、「croutonをインストール」の節以降の記述に従う。以下の記述も、この記事と重複するものである。

*14:このあたりのコマンドラインやシェルに関する基礎的かつ体系的な話については、『新しいLinuxの教科書』などにあたって下さい。冒頭部分に詳しい歴史と分類が書かれています。

新しいLinuxの教科書

新しいLinuxの教科書

*15:ここでいうxfce〔エクスエフシーイー〕とは、Linuxディストリビューションに搭載されるデスクトップメタファの一種で、リッチで重量級なものから素朴で軽量級なものまでいろいろある。軽量級を目指した Xubuntu のデスクトップメタファがxfceを採用しているため、xfceをスタートさせる、ということがXubuntuをスタートさせることとほぼ同義として扱われているのだろう、と推量している。自分は。違ってたらごめんね。

*16:日本語化の処理については、http://neos21.hatenablog.com/entry/2017/01/08/234540 にそのまま従う。

*17:コマンドラインを通じた細かい調整は http://qiita.com/uchan_nos/items/ccc4ef7e319cb6200cc9 などに詳しい話があるが、システム設定の部分から行ける簡単な設定だけでもなんとかなる。

*18:https://getch.wordpress.com/2009/02/17/install-jedit-in-ubuntu-how-to/ の指示に従う

*19:複数方法があるが、コマンドライン経由では以下でも成功した。http://qiita.com/sudix/items/4e4e1bed2f9cf257e692

*20:手順としては以下のような紹介ページがある。http://slumbers99.blogspot.jp/2011/08/gedit.html 今回のマシンに適合しなかっただけで、他の実機では正規表現プラグインが問題なく表示される可能性は普通にありえる。JeditAtomの導入ついでに、geditの導入も一応検討してみていただきたい。

*21:WindowsにおけるPDICにあたる、Linux用の辞書アプリ。stardict本体のアプリと、stardict-toolsと呼ばれる独自形式へのコンバート処理アプリとで成り立っている。仕様を理解して適切なデータを生成し適切な場所に配置するまでが大変。ただ仕上げてしまえば概ねPDICと同等の挙動をしてくれる。

*22:この行からのStardictコマンドライン関連は以下を参考にしています https://sites.google.com/site/hymd3a/linux/stardict

*23:要するに、この後の作業は、apt-getで stardict, stardict-tools, nkf, iconv の4つのコマンドが揃ってないと、無意味なコマンドラインだと怒られる可能性があります。入れておきさえすれば、どうにかなります。

*24:ここからの作業は、いろいろなやり方がありますが、独自プログラムに依存しないでも成功できる http://ipadenglish.seesaa.net/article/142946216.html を参考にします。

*25:具体的な書式はこちらのnkf 関連を参照 http://ttanimu.blogspot.jp/2014/12/linux.html

*26:https://forums.ubuntulinux.jp/viewtopic.php?pid=23166 などを参考にする

*27:この作業も、http://ipadenglish.seesaa.net/article/142946216.html に従って行う。なおURL先ではWindows上で行っているが、自分はLinux上の正規表現エディタで行っている。

*28:この処理はコマンドラインでも実行できるらしいが http://dongle.seesaa.net/article/132344046.html 自分はGUI上でも実行できた。GUI実行の例はこちらの記事が参考になる。https://sites.google.com/site/hymd3a/linux/stardict

*29:

*30:https://www.digimonostation.jp/0000088420/

*31:http://parallel-news.hol.es/2017/03/27/gpd-pocketとgemini-pdaのいいとこどり? ks-proproid/

高温多湿に観念して洗顔習慣をまじめに組み直した話

ギャツビー あぶらとり紙(フィルムタイプ)

ギャツビー あぶらとり紙(フィルムタイプ)

カウブランド石鹸 青箱バスサイズ135g*6個

カウブランド石鹸 青箱バスサイズ135g*6個

ロゼット 洗顔パスタ 海泥スムース 120g

ロゼット 洗顔パスタ 海泥スムース 120g

私は元来、洗顔をそこまでまじめにやる人間ではありませんでした。ところが、近畿の夏の気候下で洗顔を適当にしていると、顔が絶えずベトベトして、集中力が大いに削がれてきました。

「もうだめだ、あぶらとり紙でもないとやってられない……」とまで考えて、私は思い至ったのです。今の住まいが、あぶらとり紙が名産品になるような地域であったということに……。

そんなわけで、「これはもう少ししっかり顔を洗うスキルを上げていかないとだめかもしれない」と観念したわけです。ところが、今回仮に少し高くて良いものを買ったとしても、続かなければ意味がない(私は未だに、洗顔習慣の弱い人間です)。

そこで、今回は以下のことに気をつけて、洗顔習慣づくりに関して躓きのないように、グッズと環境とを一式そろえました。

  • 洗顔ネットを買い直す。ただし、ぼんぼり型のものは(乾かしづらく取り回しづらいので)今回は買わない。三角形のものを買う。洗顔ネットは洗面所の近くにハンガーを引っ掛けて、風通しのよいところに置く。
  • 化粧水と乳液を買う。ただし、安くて入手難易度の低いものに絞ること。
  • 洗顔料は凝らなくてもよく、はじめは牛乳石鹸でもよい。ただし、評判の良いものであれば、追加で洗顔料の購入を検討してもよい。

その上で、「水洗顔洗顔ネットによる洗顔→(化粧水)→乳液」という手続きを守り、最低でも夜に1回、できれば朝晩二回、やるようにしました。

その結果、少なくとも湿度の高い夏場でも、不快な状態から脱出でき、とても助かっています。

ところで、自分のようにスキンケアに直接の関心がない人間でも、洗顔次第でこんなにも居心地の良さを作ることができる、ということに、なんとなく面白さを感じています。「美を直接目指さない、快の追求としての洗顔」というジャンルがありうる、という驚きがあったんですよね。「芸能人的な美への追求が特にないなら、洗顔は(バッド・ステータスが常態化しない範囲で)適当でいいや」という考えがどこかにありました。

この習慣づくりのついでに、今後相対的に美肌になってゆくと更におもしろいですけれど、そのあたりはCimCity的なシミュレーションゲームにも似た、もう少し気長なやり口が必要みたいで、ひとまず考えないことにしています。

ジャスミン茶×浄水ポット×大型水出しピッチャー

岩崎 冷水筒 フェローズ タテヨコ ラージピッチャー 3L K-1283NW

岩崎 冷水筒 フェローズ タテヨコ ラージピッチャー 3L K-1283NW

カロリーがなく、カフェインをそこまで沢山取らずに済み、口漱ぎにも使え、飽きがこない、その上でコストパフォーマンスのよい水分補給の手段を、ずっと探していました。

2017年04月中旬頃から週に70000歩を歩くようになり、その間の水分補給にコンビニのお茶を幾つか飲み比べ、そのうちどのコンビニにも売っている100円のジャスミン茶を固定で買うようになっていました。外に出ている時はそれでもう悩まなくなったのですが、家でジャスミン茶を飲む手段があまり整っていなかった。近畿の水道水がまずくて、そのまま蛇口から出した水ではお茶の味もあまりよくない。かといっていちいち沸かしていると、火を掛けている間にキッチンでのぼせてしまう(エアコンをつけっぱなしにできない場所ではそのくらいに暑い)。ペットボトルの水を通販で一気買いするのも、場所を取ってしまい、馬鹿らしい。

そこで、初期投資2000円くらいで美味しい水を作れるならと、浄水ポットを導入してみました。ポットで濾過した水は、ミネラルウォーターほどの美味しさとはいえないものの、本州の水道水独特のまずさは取り除かれています。その水を、茶葉袋を入れたピッチャーに注いで数時間冷蔵庫に置けば、それなりの味の水出しジャスミン茶を作ることができました。そのルーチンが確立した後、室内の飲水まわりはだいたいこれで凌いでいます。

ブリタの浄水フィルタの場合、(使用頻度にもよりますが、)おおよそ2、3ヶ月ほどで取り替えが必要になってきます。1個あたり1000円弱するフィルタで、そこを高いとみるか安いと見るかは意見が分かれそうです。自分の場合は「重たい水を運ぶ苦労」に金を支払っていると割り切りました。2ヶ月ぶん飲む浄水1000円分を、外に買いに行くわけでもなく室内に積み上げるでもなく、そのつど必要なだけ蛇口から確保し続けられるなら、それに越したことはない、という風に考えています。

2017.06

生きています。

Twitter方針

まとまった記事や作品の宣伝のみRTをするようにしました。他は今でも(気に入ったり面白く感じたりしても)RTしていません。
生活に関するこまごまとしたことは再び書くようになりましたが、それ以外は手元の書き置きにとどめています。時事については相変わらず距離を置いています。

近況

 近畿で某仕事の手伝いをしていました。現在は半分農閑期みたいなものですが、また夏以降から忙しくなると思います。
 ただ、この仕事だけでなく、自分の今後の売りになることも同時に並行して積み上げ(直し)てゆかなければならいことは自他共に見解の一致するところで、その点の作戦をあれこれと練る体力、もう一段階くらいの思考の鋭さが、欲しいところです。
 春先に東京に遊びに行った時にはミュシャ「スラブ叙事詩」展、バベルの塔展、茶碗展、大映自然史博物館展を見るために歩き回っていました。特にミュシャのスラヴ叙事詩はよかった。佐藤亜紀『小説のタクティクス』*1に書かれた「顔」の論が、(モダンアートの文脈というより、三浦篤『まなざしのレッスン1 西洋伝統絵画』*2において整理された西洋伝統絵画の手法の延長線上で、しかし物理的にも iconic にも大規模に、)試みられていた、と整理することができるかと思います。つまり、汎スラヴ主義を表現において実現するために、ミュシャは民衆の「顔」のことを見落とさなかった、そのように私は見たのでした。このあたりの話はいつか整理したいと考えています。

 観光らしき地点も概ね周りました。色々良いところはありますが、特に建仁寺広隆寺天龍寺大覚寺等持院、観智院(東寺北部)、上賀茂神社、西村家住宅、比叡山延暦寺、本能寺宝物殿、慈照寺銀閣寺)の“東求堂”、大将軍八神社宝物殿、蹴上インクライン南禅寺水路閣伏見稲荷、あたりは、数日の旅行でどこに行くと良いか尋ねられた時には優先的に推したいところです(ただし比叡山は移動に一日を消費してしまいがちなので、そこだけ難点ですが)。市内から出て近畿圏全体で良かったのは奈良では橿原神宮神武天皇陵、法隆寺、大阪では国立民族学博物館。神戸もこないだようやく、幾つかマイナーどころ含めて見て回ることができました。
 
 観光地として率直にはお薦めし難いものの、一度見ると忘れがたいものとしては、鞍馬寺(宝物殿の最上階最奥)、西本願寺の講堂内パイプ椅子の並び、そして妙心寺の「寺町」的な広さ、を挙げたい。下鴨神社の周辺で見た葵祭も、現代なりの背景を知った上で見ると何とも妙な気持ちにさせられました。また、個々は素晴らしいかもしれないにしても、なんとも好きになれないままなのが、大徳寺。茶器は好きになってきたものの、茶面の本拠地とはうまくやっていけそうな気がしません。

 飲食関連では、鶴屋吉信、老松、三条まどべ、フロマージュ・ド・ミテス、イノダコーヒー本店、エレファントファクトリーコーヒー、ミール・ミィ、cafe 1001、三木鶏卵、すき焼きキムラ、播磨屋、立ち飲みカドヤ、桃花春、猪一、Flip up! Bakery、にしむら珈琲本店(神戸三宮)、お酒の美術館、551蓬莱イートイン@伊勢丹京都店B2F、天下一品本店、伯楽家常菜、などが良いと思ってます。

今年度も、あまりパッとした活動はできないと思いますが、今できることを続けて行きます。

*1:

小説のタクティクス (単行本)

小説のタクティクス (単行本)

*2:

まなざしのレッスン〈1〉西洋伝統絵画 (Liberal arts)

まなざしのレッスン〈1〉西洋伝統絵画 (Liberal arts)

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