ビジュアル版 最新ファンタジー百科(David Pringle and Tim Dedopulos eds.)のゲーム章が優れている件

(原書情報こちら)*1

書誌データ

[original] Pringle, David and Tim Dedopulos eds. 2021. The Ultimate Encyclopedia of Fantasy: The definitive illustrated guide. Welbeck.
[日本語版] (=2021. 井辻朱美ほか訳.『ビジュアル版 最新ファンタジー百科:類型・映画・TV・人名・ゲーム・背景』柊風舎. )

この書籍をみつけた経緯

2022年11月中旬に4回めのコロナワクチン接種を受けてきた折、時間調整のために京都府立図書館に入って散策していたところ、返却されたばかりの移動書架の端に見つけたこのファンタジー百科事典本が目に入った。「こんな大判本を借りる人もいるのだな」と何気なしに確認した所、その編集方針に驚かされることになった。指輪物語Lord of the Rings)やGoT(Game of Thrones*2など映画化・ドラマ化でメジャーになったファンタジー作品だけでなく、『天空のエスカフローネ』劇場版*3など日本アニメーションの重要作品であったり、『オテサーネク』などチェコストップモーション・アニメーション作家のシュヴァンクマイエル夫妻による代表作*4などがすべて並列で扱われていた。*5

それだけではない。この事典にはゲーム分野に関する独立した章が置かれており、その中には『ゼルダの伝説』『ドラゴンクエスト』『Final Fantasy』『ポケットモンスター』『ICO』『ペルソナ4』『ダークソウル』など日本の代表的なファンタジービデオゲームが、海外のファンタジービデオゲーム史で必ずといってよいほど出てくる『MUD』『Ultima』『Wizardry』『NetHack』『AngBand』『Doom*6The Elder Scrolls(III, IV, V)』『World of Warcraft』『Witcher 3』などと並ぶ形で、別け隔てなく紹介されているのだ。
さらにアナログゲームも手厚い。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『ルーンクエスト』や『D&D エベロン*7 など英語圏テーブルトップRPG文化圏での最重要作品群と並列して、20世紀末における日本産RPGとして重要な作品である『ソードワールドRPG』(初版)にまで一応の言及がある。*8
この書籍についてTwitterで言及していたところ、ゲームライター・批評家の岡和田晃さんより、「この著者の David Pringle 〔デイヴィッド・プリングル〕は、英国のSF雑誌 Interzone〔インターゾーン〕 の編集者ですね」とコメントを頂戴した*9。巻末には確かにその通りの来歴が書かれていた。雑誌 Interzone はイギリスのSF雑誌として大きな影響力を持っており、またファンタジーゲームにおいては Warhammer(ウォーゲーム/RPG)との関係も強い。*10またほかの編者には、Magic: the Gathering や D&D (3rd以降) を手掛ける Wizards of the Coast とも仕事をしている Tim Dedopulos〔ティム・デドピュロス〕もおり、ゲームセクションにおけるゲームの目配せの良さは Pringle だけでなくこの人の力も大きいのかもしれない。

Pringle & Dedopulos 本がファンタジーゲーム語りにもたらすと思われる効用

私はどちらかといえばアナログゲーム文化の側に属しているという認識が強いが、ビデオゲームもそこそこ遊んできた人間である。そこでアナログゲームの研究の事例としてファンタジーゲームを紹介すると、まずそれらの作品の背景を、研究者仲間へ伝達するのに苦労することが多い。「日本のビデオゲームには詳しいけど国外のビデオゲームファンタジー&国内外アナログゲームのファンタジーに詳しくないひと」へ、何をどう説明すれば、鬱陶しく思われない範囲で議論の共通基盤を築けるか、ずっと思い悩んできた。

そこに来てこの事典のゲームに関する章は、おそらく私のこれまで常にかかえてきた悩みについて、行き届いたフォローをしてくれるという確かな期待がある。「私が話すゲーム関連ファンタジーのことは、だいたいこの範囲を念頭に置いています」と前置きして、このゲーム章だけ人に配って話を始められたなら、いろんなことが楽になるだろうとさえ考えているところだ。

自分はファンタジー文学の専門家ではないため、この本の全体の出来をレビューするのに適格な人間とはいえない。それでもゲームファンタジー事典としてこの事典のゲーム章の水準に達しているものは極めて少ないと指摘できる。{アナログ,ビデオ}×{海外, 日本}の複雑な50年を、簡潔な要約ながらそれぞれ的確に拾ってくれていることが大きい。

補足:Pringle & Dedopulos本は、「アナログ×海外」象限の言説的欠落を埋めてくれる

ファンタジーゲームに関する四象限(2022, 筆者作成)

 ファンタジーゲームに関して、上図のように{国内/海外}×{アナログ(テーブルトップ)/デジタル(ビデオ)}の2軸で四象限をとってみた上で、Pringleらの百科事典ゲーム章の位置づけを整理してみたい。


「アナログの」「ファンタジーゲーム」に関する開発史【象限d】は、まず海外の(主に英語圏・欧州圏の)ファンタジーゲーム【象限b】に、ビデオゲーム黎明初期から大きな影響を与えてきた。特にD&D (Dungeons & Dragons) , RQ (Runequest), M:tG (Magic: the Gathering), Warhammerなど、ほかの英語圏アナログゲーム製品群が与えてきた影響は、メカニクス面でもフィクション面でも、極めて大きい。【象限d->象限bへの影響】

また、「デジタル(ビデオ)の」「海外ファンタジーゲーム」に関する開発史【象限b】も、日本国内ゲーム文脈だけ見ていると見落としがちな点だ。特にTES (The Elder Scrolls) や Witcher3, WoW (World of Warcraft) など、アナログのD&Dプロダクトにも劣らない膨大な背景世界設定をもつファンタジービデオゲームの蓄積があることは知られていても、具体的にどのような内容が収められているかにおける共通認識は、日本のファン以外にも知られているとは言いがたい面があるだろう。【象限b自体の前提知識の補完】

国内ビデオゲーム【象限a】の中だけでも、たとえば『ポケットモンスター』や『どうぶつの森』シリーズがファンタジー世界を扱っている、という共通認識は、誰しも当たり前にもっている共通認識とは言い切れないだろう。【象限a自体の前提知識の補完】

国内アナログゲーム【象限c】に関しては、海外の主流アナログゲームに対する“相互の”影響関係は強くは見いだされないが、近年は日本製のボードゲームが徐々に海外でもプレゼンスを獲得しつつあり、今後は一方的な影響だと断定できない局面に入ってくるだろう。また、ゲームデザインの輸入という面では早くから安田均が『SFファンタジィゲームの世界』*11などで積極的な紹介を続けてきた歴史があり、国内のアナログ系ファンタジーゲームのデザインが海外のどのような先行作品を参照して作られてきたのかについては、Pringleらのゲーム章の整理は役に立つ。【象限d->象限cへの影響】

上記のような話を、研究会のような場で、たった一人の人間がゼロベースから伝えるには、あまりに荷が重たすぎることは明らかだろう。それだけにゲーム章の内容は、国内外のファンタジーゲームを論じようとする人なら、一人でも多くの人に目を通しておいてもらいたい内容となっている。

ただし、邦訳版は1万円を超える高価な書籍となっている。公共図書館などでは大判のリファレンス用書籍として入荷していることも多いようであるため、図書館での閲覧を推奨する。英語版でも構わなければ、ハードカバーで発注するという手もあるだろう。

旧版に関する補足

この本には2001年刊行の旧版がある。*12まだそちらの方を確認していないが、今回触れたゲーム章に関する内容はあくまで2021年版の内容に基づいていることをお断りしておく。一応旧版にもゲーム章はあるようだ。

*1:

*2:ゲーム・オブ・スローンズは邦題『炎と氷の歌』でも翻訳されているファンタジー作品と同一の原作に基づいている。

*3:

*4:

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*5:さらに本書ではTVシリーズを映画と別に分けており、日本のものでは『らんま1/2』『美少女戦士セーラームーン』『剣風伝奇ベルセルク』『ポケットモンスター』『灰羽連盟』『ラストイグザイル』『DEATH NOTE』『NARUTO』『鋼の錬金術師(2009年版)』『青の祓魔師エクソシスト〕』『ペルソナ4 The Animation』『僕だけがいない街』を引いている。あってもよさそうな『ONE PIECE』はなかった。

*6:Doom開発にCoC(Call of Cthulhu)デザイナーのサンディ・ピーターセンを招聘した事実も書いている(p.259)

*7:D&Dは複数の公式世界観があるが、特にスチームパンク的・近代的モチーフを取り入れたファンタジー世界観としてD&D3時代以降に展開された人気世界観のひとつ。日本ではホビージャパン社からD&D3, D&D4, D&D5対応のガイドブックが刊行された。特にD&D3対応のバージョンは名著かつ名翻訳となっている。

*8:その他、『Devil May Cry』『ソウルキャリバー2』『おいでよどうぶつの森』『キャッスルヴァニア悪魔城ドラキュラ)』『ワンダと巨像』『Dwarf Fortress』『Assassin's Creed』『Bioshock』『Pathfinder RPG』『Dishonored』『風ノ旅ビト(Journey)』『13th Age』『Dota2』『Final Fantasy 14』(吉田直樹への言及がある)『Hearthstone』『Bloodborne』『Runequest Glorantha RPG』(初期RQと別に独立項目になっている)『Return of the Obra Dinn(オブラディン号の帰還)』『Monster Hunter World』などの項目があった。

*9:https://twitter.com/orionaveugle/status/1593156584112533506

*10:ドラッケンフェルズ』をはじめとしたウォーハンマー世界観に基づくノベライズは、『インターゾーン』誌の人脈との関わりから生まれている。詳細は『ナイトランドクォータリー』Vol.11: 40-45, 岡和田 晃「キム・ニューマンドラキュラ紀元』と新歴史主義〔ニューヒストリシズム〕」を参照。

*11:

*12:

コズミックホラー/クトゥルフ神話を日本語で遊べるRPGメカニクス:2022年(令和4)版

とある会話をきっかけにまとめる必要が出てきた為、まとめる。*1

クトゥルフ神話TRPGCall of Cthulhu The Sixth Edition)

原語では2004年、日本語版は2006年に刊行された。近頃は最新版のCoC7版(後述)と分けるためにCoC6と書いたりもする。
2011年からニコニコ動画を中心とした「CoC6現代日本リプレイ動画ブーム」が発生し、見る専を含めてTRPGジャンルの認知度が急上昇。「TRPGの華形といえば冒険ファンタジー(か、そうでなければ超人もの)」という巷説を塗り替えるほどの流行となった。また、Pixivや同サービス系列のECサイトである BOOTH では、同人誌即売会とは異なるルートでのCoC同人シナリオの頒布が2010年代後半より隆盛。それまでのCoC6の遊ばれ方とは異なるシーンを形成することになった。【同人シナリオの傾向については註釈を参照*2

CoCは初版 (1981年) から6版までの間、基本的にはChaosium社が1980年代前半からTRPG向け汎用メカニクスとして展開し続ける「ベーシック・ロールプレイング(Basic Roleplaying, BRP)」に基づいて設計されている。特にCoC6は、サンディ・ピーターセンが共同執筆として携わったBRP系ファンタジーRPGの傑作、Runequest 3rd Edition (Avallon Hill, 1984) との共通点を多く持つ。2020年現在、CoC6でホラー以外のジャンル(超人的活躍や、神話生物・狂気のルールを必ずしも必要としないシナリオ構造など)への挑戦が各シーンで巻き起こっているが、それらの挑戦が極端な破綻なしに続いているようにも見えるのは、CoC6が基部構造にもつこのBRPの堅牢性の高さに拠るものではないかと思われる。*3

クトゥルフ神話TRPGCall of Cthulhu The Seventh Edition)

原語では2015年、日本語版は2019年に刊行された。ケイオシアムCoCの第7版にあたる。D100下方(パーセンテージロール)による直感的に成功率が読み解きやすい判定系はそのまま据え置かれているが、その周辺の各種の仕組みについてはCoC6と少しずつ異なっている。ほどよく活劇的要素・ゴリ押しの効く挑戦的立ち振舞いがルールでサポートされているなど、基本的にはCoC6のリファイン(改良)路線と見てよいとも思われるが、日本語圏のプレイシーンではCoC6ベースでのブームが冷めやらず、必ずしも完全に移行が完了しているとは言い難い。CoC7がCoC6の完全な上位互換であるのか、それとも実は微妙に異なるゲームコンセプトを向いた版同士とみなしうるのか、まだ明快な答えを出せる段階にはない。*4

インセイン

日本のゲーム企業である冒険企画局が2013年に刊行したマルチジャンルホラーRPGで、複数のホラージャンルの中に「コズミック・ホラー」にも対応する背景やデータが用意されている。
2010年代後半では同人CoCシナリオを中心に「秘匿ハンドアウト」を盛り込む作品が増加しており、一つの作法として定着した感があるけれども、CoC6およびCoC7の基本ルールブックには「秘匿ハンドアウト」に関する規定は存在しない。こうした文化は、(a) 20世紀末から日本各地の草の根のマスタリング・テクニックとして、(b) 90年代以降の商業作品のシナリオ記法の中に見られる「PC別ハンドアウト」として、(c) 冒険企画局が『シノビガミ』(2009年初出)において確立した「秘匿〔PC〕ハンドアウト(秘匿HO)」として、個別の伝統を保ちつつも集合的&漸進的な発展を遂げてきたものが、どこかのタイミングでCoCの同人シーンに還流したものと見なしうるだろう。
さてこの『インセイン』は、『シノビガミ』のメインデザイナーと同じ河嶋陶一朗が設計したシステムであり、秘匿ハンドアウトのルールを、基本メカニクスのレベルで実装している。*5 『インセイン』はCoCほか古典的な随時宣言受け入れ式の進行ではなく、ルールが定める通りの「サイクル制」の進行となるため、プレイフィールはCoCとは大きく異なってくる。しかし、秘匿ハンドアウトありきで設計された『インセイン』の狂気の描写は、プレイヤーだけでなくそれを進行するGMすら思いもかけない狂気の連鎖を再現することとなり、独特なホラーの手触りをもたらしてくれる。「秘匿HOに基づくキャラクター間のドラマにこだわりたい」と希望するゲームマスターにとっては、CoCのオルタナティヴ(=代替候補)として常に念頭に置かれていてよいメカニクスと言える。

トレイル・オブ・クトゥルー(Trail of Cthulhu, ToC

原書は2008年*6日本語版は2020年に刊行された。メインデザイナーはケネス・ハイト(Kenneth Hite (Ken Hite) )であるが、元となる汎用システムである「ガムシュー(Gumshoe)」をデザインしたのは、ナラティヴ系グローランサTRPG『ヒーロークエスト』(Hero Quest)シリーズ等を手掛けるほか、多数の実績があるロビン・D・ロウズ(Robin D Laws)である。
ToCの最大の特徴は、ロウズが設計した Gumshoe メカニクスが、「調査シナリオ」を破綻なくプレイヤーに提供するにあたり優れた設計をしていることだ。ToCにおけるプレイヤーは、自分のキャラクターが調査したい物事に対して適切にマッチングする技能をもっているかどうかだけを確認してそれを宣言すれば、ダイスロールなしで情報を取得することができる。他にも細かいゲーム的な駆け引きは存在するものの、ToCにおける行動宣言の主眼が「ダイスの出目に一喜一憂する」地点に置かれていないことは確かである。もちろん、キャラクターが明らかに危険な眼に遭っているときに古典的なダイスロールが要請されることはある。けれども調査行動に関しては、基本的には事件の推理に必要なすべての情報がプレイヤーたちの手元に確実に集まるように、基本メカニクスのレベルで調整が成されている。
 これがゲームマスターやシナリオ作成者にどのようなアプローチを可能にするかは明らかだろう。一通り手がかりを入手してもらった後にプレイヤーたちの間で推理する時間をじっくりとってもらうことを期待するような、歯ごたえのある調査シナリオを提供したい時、ToCはもしかするとCoCよりも適切なメカニクス足りうるかもしれない。遊びたい時代背景に応じて“足で稼ぐ”ような探偵的情景をセッションを通じて共有したいのであれば、それを邪魔する摩擦を限りなく減らすToCの仕組みは、KPとPLの双方を助けてくれるだろう。

クトゥルー(Kutulu)*7


原書はスウェーデンにて2017年*8、日本語版は2022年に刊行された。
著者のMikael Bergstrom(ミカエル・バリストレム) はスウェーデンのゲーム作家である。このKutuluは、Nd6個別ロールによるシンプルな判定系*9を持ちながら、ユニークな狂気ルールを提示したことによって(そして日本で一部の海外ゲーム紹介運動が盛んに行われたことによって)高い評価を受けている。
Kutuluのルールメカニクス下で動き回る探索者たちには〔超常的な現象に対する〕【狂気深度】*10のレベルが設定されている。【狂気深度】は「1. 否認」「2. 模索」「3. 受容」「4. 適応」という段階をもち、しかもその段階に関するステータスの管理はPCおよびPLに一切開示されないことになっている。【狂気深度】がどの程度進んでいるかは、ゲームマスターの描写・語り口を通じて類推することしかできず、同じ場所・同じ時間に置かれているはずのキャラクター同士は、本当に同じ状況に立っているのかどうかの前提すら瓦解しかねない状況に置かれることになる。
狂気の内容を隠匿するルール自体は『インセイン』とも共通しているけれども、狂気にまつわる語りを、PL/PCの誰にも手出しできない“GMだけの専権事項”として集約しているという点が、Kutuluの型破りな点である。

サンディ・ピーターセンの暗黒神話体系 (Sandy Petersen’s Cthulhu Mythos)

(※注意:『暗黒神話体系』は、製品単体では現代地球の人物をプレイすることは難しい仕様となっている。ただしクトゥルフ神話でファンタジー的冒険を遊ぶという点では一応条件を満たしているため、紹介した。)

原語では2018年、日本語版では2022年に刊行された。
Chaosium版CoCシリーズのメイン・デザイナーはサンディ・ピーターセン(Sandy Petersen)であるが、彼は別のクトゥルフ神話系ルールブックも手掛けている。これが、D&D5系列のルールをコアメカニクスとして遊べるよう設計された『暗黒神話体系』である。*11
この『暗黒神話体系』が翻訳されたことで一つ画期的なことは、このコアルールブックに付属する『フィフス・エディションRPG*12が、事実上D&D5版対応のSRD(システム・リファレンス・ドキュメント)の完訳であることだ。国内のD&D5を翻訳販売していたホビージャパンは、2021年から2022年06月までの間にWotCとの権利関係が解消されることとなり*13、2022年秋以降のD&D5展開はWotCの日本法人が直接手掛けることになった。『暗黒神話体系』は、ホビージャパンが持つD&D5関連の蓄積を、D&D5対応のSRDにより遊べる別のプロダクトに振り向けた最初の一手として評価できる。*14
暗黒神話体系』と『フィフスエディションRPG』(D&D5 SRD)は、共にD&D5系のシステムにある程度慣れ親しんでいることを暗に前提としている。また、以前のd20クトゥルフとも違い、これらのコンポーネントにはCoCにおける探索者周りの背景設定などの情報が欠落している。つまるところ『暗黒神話体系』はD&D5の冒険にクトゥルフ神話的エッセンスを加えるためのサードパーティ・ルールという位置づけで遊ばれることが第一に想定されており、たとえば「この製品単体でジャズエイジの探索者の冒険を提供する」というような構成にはなっていない。近代北米や現代日本のヒューマンが特定の職業でクトゥルフ神話的陰謀と対峙しているうちに、徐々にD&Dの英雄めいて強くなっていくという飛躍は、D&D3.X時代に刊行された『コールオブクトゥルフ d20(D20クトゥルフ)』では単体製品である程度可能だったが、『暗黒神話体系』では舞台設定をKPがゼロから作らなければならなくなっており、かなり難易度の高い挑戦になってしまっている。しかしその壁を乗り越えることがもしできさえすれば、たとえばテルグ語映画『RRR』のような1920年代のヒロイック・アクションを『暗黒神話体系』ベースで遊ぶのは、リアリティの調整として面白いかもしれない。
ファンタジーとしてのクトゥルフ神話を遊ぶにあたっては、ほぼ同時期に翻訳・発売されたキャンペーンシナリオ集『食屍鬼島』を導入すると、セッショングループへの導入がしやすくなるようだ。

その他のクトゥルフ系(未訳)

タイトルの趣旨と異なり相対的にアクセスしづらいクトゥルフ神話メカニクスについても、下記に併記しておく。

*1:解説には個人見解が多少含まれるかと思いますが、ご容赦ください。

*2:TRPG系二次創作物の有料頒布に関する規約を整備した「SPLL(Small Publisher Limited License)」の制度が2020年10月より始まったことにより、CoCに関するBOOTHその他の有料頒布のあり方にも影響が及んでいる。CoC6シナリオは独自規約による無料頒布シナリオにも人気なものが多く、またその規約の違反に基づく複雑なユーザ間トラブルがあり、有料頒布シナリオだけを追跡していてもシーンの全体が俯瞰できるわけではないというのが厄介なところだ。

*3:BRPそれ自体の日本語ルールは、Role & RollのBRP特集号を通じて日本語でもアクセス可能である。

*4:かつてD&D3.Xと当時最新版D&DであったD&D4との間には、明確なゲームコンセプトの違いがあることから新旧のどちらがより優れたメカニクスであるかについての論争が巻き起こった。D&D3.X展開を良しとする流儀の中からは、Paizo社のPathfinder RPGという新規タイトルが生まれ、それは現行のD&D5と並ぶ英語圏のファンタジーRPGの代表としての立場を確立している。ただしCoC6とCoC7それぞれの作りの間には、この事例ほどのゲームコンセプトの異なりは見出し難い。

*5:より精確に言えば、(1) 【秘密】の配布は選択ルールとしながらも[基本:194]、基本的には多くのシナリオでは高確率で【秘密】コミでのシナリオとして実装されている。(2) たとえ【秘密】が配布されずとも、ゲーム進行中にPCたちが抱えることになる【狂気】カードのうち、「拡散」を禁じられた対象が、実質的な秘匿ハンドアウトとして機能する。

*6:日本語版のコピーライトが2007年だが、原書の出版自体は2008年と思われる。

*7:読みは「クトゥルー」ないし「クトゥル」でよいと思われるが、人と話す時には先行作品との区別を敢えて建てるために、敢えて「クツル」と呼ぶことが多い。もちろん、その読みが適切だと思って発語しているわけではない。

*8:原著者がIssuuにて公開しているスウェーデン語版よりそのように推測した。https://issuu.com/mikaelbergstrom/docs/kutulu-web-v1/1

*9:日本語で手に入る既存の類似判定系としては『ザ・ループTRPG』『シャドウラン(4版以降)』『ニンジャスレイヤーTRPG』などがある。

*10:厳密には、【狂気深度】に紐づく【幻覚】も3段階設定されているが、ここでは詳細を省く。

*11:なぜ「大系」ではなく「体系」の訳語を選んでいるのか、個人的にはよくわかっていない。ところで副題としては、ホビージャパンが商標として持っている「クトゥルフの呼び声」がたまたま浮いていたため、副題に「クトゥルフの呼び声TRPG」というタイトルがついている。したがって日本語版では、原題 Call of Cthulhu の方が「クトゥルフ神話TRPG」を名乗り、原題 Cthulhu Mythos の方が「クトゥルフの呼び声」を名乗っているという、倒錯した状況になっている。)

*12:ホビージャパン公式Webサイトにて無料PDFの配布が行われている。具体的な版権画像はないが、フルカラーである。https://hj-trpg.com/#download

*13:https://www.4gamer.net/games/319/G031949/20211002018/ などを参照

*14:ほか、2022年05月30日に、Final Fantasy XIV プロデューサ兼ディレクターの吉田直樹を招いて行われたホビージャパン監修のFF14ライクD&D5システムの公開セッション(https://www.youtube.com/watch?v=_U4Xzai991Q)も、WotCからD&D5系列製品の販売代行を封じられたホビージャパンの次の商品ラインを模索する試みの一つとして観察しうるだろう。

ユリイカ『総特集=今井哲也』(2022年10月刊行)に小論を寄稿しました

タイトルの通りです。2022年10月27日刊行のユリイカ・今井哲也特集号(『ユリイカ』2022年11月号)今井哲也論を寄稿しました。

東京都阿佐ヶ谷の「阿佐ヶ谷団地」を舞台にした近未来SF『ぼくらのよあけ』(2011年連載作品)が2022年10月中旬にアニメ映画として公開されることになっており、今回のユリイカはそれを記念しての特集号ということになるかと思われます。

bokuranoyoake.com


そんな特集号において私は、今井哲也さんが2018年から継続的に続けている『メギド72』ファンアート活動を一つの話の軸として、

  • (a) ファンアート鑑賞の紙上での実践(description)を行いながら、同時に
  • (b) 『メギド72』の基本的な物語構造を分析しつつ、今井哲也作品においても繰り返し登場する“或る共通モチーフ”について考察する

ということをやっています。

この記事名を含む雑誌紹介記事が青土社公式でも発表されたところ今井さんご自身がTwitterのゲーム用サブアカウントで反応したこともあってか、『メギド72』プレイヤーコミュニティからも少なからぬ反響(と困惑と)がありました。

そのため刊行前に告知を兼ねて、関係者各位に迷惑のかからない程度に多少補足をしてみようかと考え、この記事を書きました。

経緯

私は WordPress の自サイト*1の方にコンタクトフォームを設けておりまして、仕事の依頼や諸活動に関するご意見・感想などはこちらで受け付けています。

そのメールフォームに、ユリイカの編集の方からメールが来ておりました。2022年08月25日のことです。

その編集の方は、普段から私がTwitter今井哲也の作品について話しているのを好意的に読んでくださっていたようです。同人誌での今井哲也への言及についても触れていたことから、おそらく『ハックス!』の短評についてもご記憶があったものと思われます(もしかしたら『〈背景〉から考える』など、違う同人誌かもしれませんが)。

その段階ではテーマ指定を広めにとっていただいており、今井哲也作品に係るものであれば事実上何を論じてもよい、という状態でした。もちろん『ぼくらのよあけ』映画公開が同時期にあることは了解していましたが、さて自分ナラデハで出来ることといえばなんだろう、ということで少々頭を捻りました。

そこで出てきたのが、『メギド72』でした。
今井哲也さんが描いたメギド72ファンアートを紹介しながら、今井哲也連載作品と比較対照させつつモチーフ語りを出来る狂人人物は、おそらく声を掛けられている評論系の方々の中では自分しかいない。

返信の一番初めに「今井哲也を特集テーマとしてユリイカ特集号が出るのは、ファンの一人として大変喜ばしく思う」と書きつつ、下記のようにメールを書き始めました。

さて今回の件ですが、私がもしユリイカで他の方が書かなさそうな論としてご提示できるものとしては、

「メギド72と今井哲也作品」

というお題(とも言えないかもしれませんが、そこから発する著述)があるかな、と考えておりました。

今井哲也さんはTwitter等で、スマホRPG『メギド72』の絵を多数投稿されています。そのファンアート活動は、プロ漫画家の活動としてはいささか特異ではないか思われるほど熱心なものであり(構図の作り方などは、『アリスと蔵六』を現行で追いかける者としても興奮させられるものです)、この機会に「今井哲也の一側面」として留め置く意義はあるかと考えております。

ただ私も、漫然と今井メギドのファンアートを見ていただけですので、改めて振り返って何が言えるかは磨く余地があります。とはいえメギド72は、(単に作中の少年少女キャラクターが、今井哲也作品における無自覚な稚気を内に充填させながら駆け回る“あの”少年少女感に近いというだけにとどまらず)、年齢に伴う制約という矩をどの世代も超えられないことを自認しつつ、なお最善を目指そうとする群像劇として優れたシナリオを出し続けている作品でもあります。

そしてその美点は、少なくとも私が『ハックス!』『ぼくらのよあけ』『アリスと蔵六』など、これまでの今井哲也の主要連載作品に共通する特徴として見受けられる美点と近しいものでもあると感じています。

〔中略〕

このような内容でいかがでしょうか。ご検討ください。

このメールを送ったところ、丁寧な「それで進めてください」との快諾をいただけたため、〆切日までに約8000字の原稿を提出しました。

もちろん、編集部の許可を得た後も、小論の主題含めた全責任は私にあります。しかしそれはそれとして2022年秋の日本語圏の書き手から同主題に関して提出しうるものとして、他に誰にも書きようのない文章にはなったかと思います。

その後の校正期間では私事が究極的なまでに立て込んでおり*2、編集の方には大変ご迷惑をお掛けしました。最終的には今井哲也作品とメギド72、双方のファンに一定度ご納得頂ける内容にしていただけたかと思います。

また、原稿を提出した後に編集の方から戻ってきたゲラ原稿については、文字のひらきや表現の整頓、書誌の整備など、どれを取っても精度が極めて高いものでした。人文系の原稿を読み書きする人間としてこれほど快適なことはなく、編集のプロフェッショナリズムを感じた次第です。普段読んでいた『ユリイカ』への信頼度が更に増したこと、ここに述べさせていただきます。ありがとうございます。

その他の話題についても項目を立てて話しておきます。

ファンアートまとめ作業

最初に行った作業は、今井哲也さんの公式Twitterアカウントからメギドファンアートを抽出することでした。その作業成果は下記 Togetter にて公開済です(08月段階では線画72枚は拾得していませんでしたが、本日までに追加しています)。

togetter.com

もちろん、今井哲也とメギド72の間に“作品論として”どれほどの関連があるのか? と、疑問をもたれることはごもっともだと承知しています。が、まずこの職業漫画家が手掛けるものとしては圧倒的なほどのファンアートの物量、そしてクオリティに、驚かない人はいないのではないでしょうか。

とはいえ、関係のない一個人が「こんなに描いてるの、凄いよね!」と言ってみるだけでは当然、なんの議論にもなりません。そのため、今井哲也作品とメギド72を同時に扱う本論では、まったく別のアプローチも用いながら色々論じています。

シノハラユウキの助力について

初稿を提出した時に、友人であり、かつすでに2016年にアイドルアニメ特集号でユリイカデビューを果たしていたシノハラユウキさん( id:sakstyle )に査読をお願いしました*3。まだ論旨が若干とっちらかっている段階で、シノハラさんからは構成面の指摘など貴重な助言をいただけました。もし寄稿者後記のようなものがあればそちらで謝辞を書くつもりだったのですが、そういう欄は特にないようでしたので、こちらで御礼に替えさせていただきます。どうもありがとうございます。*4

また、本論では祖メギド72人から4枚の線画を選んで掲載してもらっています。その線画の選定にあたってシノハラさんには、メギドミリしら*5状態のままでpixiv版の今井祖メギド線画集を観てもらい、構図とキャラクターそれぞれについての率直な感想を72人に対して書いてもらうという、@tricken のシノハラユウキへの信頼が厚すぎて迷惑千万なリクエストにも快く応えてくれました。*6そのお陰で最終的に良い選択ができたと思います。特に祖05マルバス祖25グラシャラボラス祖35マルコシアスについて「(本論のシリアスな追放メギドの解説を読んだ後改めて眺めると)何ですかこいつ(ら)!?」的コメントを貰い、非常に面白かった。もちろん、「らしいメギド」や「構図が美しいメギド」についてもコメントを沢山貰うことができました。最終的にどの4名の線画が掲載されたかは、本誌を手にとってご確認ください。

初稿の内容については、シノハラさんからは下記のようにコメントいただきました。

「魂の共鳴」あたりに元文章の孕む “怪文書” 感が示唆されている気もしますね。実際にどんな感じになっているか楽しみですね!*7

ところで、協力していただいたシノハラさんの最新評論は下記で入手できます。これまでになかった(そして画像を含む作品の鑑賞にマルチに役立てられる)評論集になっています。おすすめです。

メギドプレイヤーの助力について

また、校正を提出した後に、『メギド72』の設定面での記述に若干の不安を覚えて、複数名のメギドプレイヤーにも原稿のチェックをお願いしました。読んでくださったのは筆名で文筆活動をされている方々ではないため、ここでハンドルや氏名等を個別に申し上げることはできませんが、おかげさまでメギドの設定関連文に関する幾つかの致命的なミスリードに関して、校了直前で修正することができました。この場を借りてお礼申し上げます。
 どのあたりの解説を工夫したかについては、刊行後にこの記事の末尾に追記する予定です。(チェックしていただいた内容についてもその時に書かせていただきます。)

【以下、2022-10-27加筆】

無事発売日になったため、メギド関連の箇所について書いておきます。

  • 今回の『メギド72』関連の説明では、「護界憲章」という語をいかに使わずに、嘘や誤魔化しなくメギドの世界設定を説明するか、という点に苦心しました。この点はなんとかクリアできたのではないかと思います。
  • アムドゥスキアスが「“主要”キャラクター」なのか? という査読ツッコミ*8を実は頂いていましたが、これはママ通しとしました。これについては、「祖メギド72人(+真メギド)全員が主要キャラクターです!( ー`дー´)キリッ 」という応答と、「第N章における【以下検閲事項】」という応答、両方がありうるかと思いました。それはそれとして、最初に手掛けてみる最初のメギドの選択としてアムドゥスキアスが選ばれたのは、『ローゼンメイデン』絵で女の子の絵を練習した今井さんの経験がそうさせたのだろうか、と少し思いました。
  • 年齢の多様性に関する説明を加える際、「不死者」という言葉を使うかどうかで迷っていましたが、「不死者」はメギドラルにおけると或る特殊作戦と関係するメギドのみが獲得した特定属性を指すため、一般的な長命種メギドとは区別する必要がありました。これについて査読者複数と相談した結果、「不死者」という用語は使わずに説明し直すことにしました。この変更はよかったと思います。査読者の方の指摘がなければそのまま通すところでした。
  • 原稿の中では「アイム」「バラム」「キマリス」「ガープ」の4名を最終的に選出しましたが、「ハルファス」「シャックス」「アミー」などカメラワークの優れた他の線画、また本論の主旨と関連づけて、未成年であることが通じやすい「ベレト」「フルフル」なども最終候補として残っていました。もしメギドファンの皆さんがこのタイミングで「今井哲也による祖メギド線画×72」から4枚だけ事例として選出・紹介するとして、どの4名を選出するか、ご意見を聞いてみたいと心の底から思いながら、苦しんで選びました。
  • 本論に載せきれなかった事項としては、『メギド72』におけるソロモン王自身も、ジズやアモンたち(そして『アリスと蔵六』における紗名たち・悠真たち)と同様、「保護されるべき(だった)少年」と見なすことも可能だということです。論の中では追放メギドの方に焦点を当てる説明であったためソロモン王自身の「保護されるべきだった少年」属性についてはオミットしましたが、村を焼かれ、保護者や友人を失い、それでもやむなく冒険を続けてきた彼自身の癒やされなさについても、本論で述べたような観点の延長で十分語ることが可能でしょう。*9

【ここまで加筆】

記事名公開後の反響について

まず、今井哲也さんがメインアカウントではなく、(本論では取り上げないようにしていた)メギド実況専用アカウントの方で採り上げてくださったことによる反響が大きく、驚きました。

*10

また、この展開がきっかけで、今井哲也さんのことを、漫画家としてはあまり認識しておらず、単におもしろプレイヤーとして(も)フォローしているメギドプレイヤーの皆さんにも知っていただくことができ、大変嬉しく思っています。少なからず「ユリイカでメギドが扱われるだと!?」という軸で驚かれる方が居て、「そうか、そういえばそういう文脈でも嬉しいか!(メギドプレイヤーとしての自分も嬉しいわそういや!)」と気付かされました。
現在の私の身分等について一部誤解されている方も見受けられましたが、ともあれメギドファンにとって多少は面白がってもらえそうな(そして今井哲也作品への関心も深まりそうな)内容にはできたのではないかと思います。ぜひお手にとって御覧ください。

その他

公開後に誤記などみつかった場合は、この記事にて訂正致します。
また、字数の限界で双方作品(今井哲也作品と『メギド72』)について、語れるはずだったのに書いていないことも多少残っていますので、そうしたこぼれ話もぶらさげられればと思います。 【2022-10-27 加筆しました。】

ともあれ、今は刊行が楽しみです。特に『アリスの蔵六』最新刊前後からストーリー構成に参加されたというさやわかさんや、小論を寄稿されている泉信行さんなど、10年以上前から批評系読者として楽しませて(そして学ばせて)もらってきた方と同じ雑誌に載ることができて大変うれしく思います。

*1:こちらでは基本的に自分の好きな「ファンク」というジャンルの音楽についてひたすら書いています。音楽評論以外の話はあまりしていません。

*2:11月には言えるんじゃないかと思います

*3:ユリイカの論文は査読論文というよりは依頼論文に近い性格であるため、学術論文における「査読」とは意味が異なりますし、『ユリイカ』編集部で査読体制が準備されているわけではありません。日本国内において批評文・評論文として流通している文章様式において、友人として高い信頼を置いているシノハラさんに、一個人として品質チェックをお願いした、という意味で、ここで「査読」という言葉を用いています。シノハラさんはその期待に極めて高い水準で応えてくれました。

*4:ところでシノハラさんは思い返せば2011年03月ごろに名作漫画として『ハックス!』を紹介してくれ、私が今井哲也作品のファンになるきっかけを与えてくれた人でもあります。https://twitter.com/sakstyle/status/49325762142142465 参照。

*5:「ミリしら」:とある作品について1mmも知らない状態を指す。しばしば、その状態で当てずっぽうで何か想像して書いたり絵に描き起こしたりして、そのあとで元作品と比較してギャップを楽しむ遊びに付随して言われることが多い。

*6:実際には全員について書いてとは言ってないのですが、シノハラさんは実に半分近くについて印象コメントを描き出してくれました。ありがてぇ〜。

*7:( 'ㅂ')アヒャ

*8:シノハラ査読と同様、ここでいう「査読」および「査読者」とは、自分が個人的につながりがあり、『メギド72』についてある程度詳しい他者に、事実の誤りがないかチェックしていただいた、という意味で用いています。そのような観点での専門性を査読者に期待し、それに応えていただいたため、その専門性に敬意を込めてここで「査読」という言葉を用いています。

*9:「碑〔いしぶみ〕」や「俺/私が育てた」などのいくつかの名シーンがプレイヤーに感動をもたらす理由について考える時に、使えると考えています。

*10:メギド72コミュニティでは、メギドに関するおもしろ文章が発明された時に「怪文書」と呼ぶ文化が存在する。公式掲示板にガープ怪文書が投稿された時の反応の例として、gundamtryzeta 氏の2018年のツイートを挙げておく。https://twitter.com/gundamtryzeta/status/1041296027993534465