Mac写真アプリを外付HDDで管理する際に困ったことメモ (MacOS 10.14 Mojave)
この記事を書いている時点では、まだMacOS10.15にアップグレードしていない。その前提で書いている。
自分はMacOSの標準「写真」アプリを、外付HDDで管理している。HDDは、Westen Digital My Passport for Macを使っている。
内蔵ハードディスクで管理しない理由は、今使っているMacbookPro (Retina, 15-inch, Mid 2015) のSSD容量が500GBしかないため。そこそこ容量はあるが、写真メインで使うには多少不安がある。それで外付にしている……のだが、Mac標準アプリで外付HDD/SSDを選ぶと、いくつか癖のあるtipsを追加で学ばなくてはいけなくなる。数年来、そのtipsが必要になるたびに検索しては忘れていたのだが、いい加減その都度必要になる作業だとわかってきたので、メモすることにした。*1
前提:外付HDDを写真ライブラリの保管先に指定する
- 「写真」を終了する。
- 「option」キーを押しながら写真 App を開く。
- 開きたいライブラリを選択し、「ライブラリを選択」をクリックする。
写真ライブラリの修復が必要なとき
自分のHDDはそのまま接続してもパスワードロックがかかるようにしている(UD UnlockerというアプリがHDDに付属している)。これ自体は secure で大変よろしいのだが、この状態で写真アプリをうっかり立ち上げると、ライブラリの検索ができないとエラーを渡される。
その程度で済むならよいのだが、写真アプリが何かの拍子でPCがスリープしたり、フリーズして再起動したりすると、ライブラリ本体が故障することになる。そうなると、そのデータ自体はどうしようもなくなってしまう。
- 「option + command」キーを押しながら Mac 用の写真 App を開く。
- 表示されるダイアログで「修復」をクリックし、修復プロセスを開始する。
修復を実行しても、写真ライブラリが修復不可能だと通告されたとき
ところが、この手順では修復が終わらなかったり、エラーが出ることがある(自分の場合、かなりの頻度で修復ができない)。
そうなってしまったときは、以下の手順に従う。*4
- コピー元のライブラリを、“controlキーを押しながら”クリックする。
- 「パッケージの内容を表示」を選択。
- 表示されたフォルダのうち、「Masters」フォルダを、一旦別の場所に移動させる。
- 写真.appを立ち上げてMastersフォルダをウインドウ内にドラッグする。
これで写真ライブラリが復活する。以降はこれにアクセスすればよい。また修復が必要になったときは、再度同じ手順を実行すればなんとかなる。(なんとかならなくなった場合は、うまくいった別の解決法を追記することにする)
「ピープル」機能が作動していないとき
写真の点数が膨大になると、人物写真/風景写真/iOSアプリのスクリーンショットの切り分けがやりづらくなる。特に人物写真を抽出するための「ピープル」機能は、駆動していればそこそこ便利だ。iOSでは助けられることも多い。
ところがMacOSに対して外付HDDを使っていると、ピープルの情報収集がいつまでも始まらない。
ここには外付HDD特有の罠がある。「ピープル」機能を使うための写真解析は、以下の条件で駆動を開始すると、写真アプリに書いてある。*5
Macが電源に接続されていて”写真”を使用していないときに、残りの(n)枚の写真がスキャンされます。
つまり、外付HDDから呼び出している写真ライブラリに対して「ピープル」機能を使う準備をするためには、しばらくの間、以下の条件をPC上で満たし続ける必要がある。
- 写真アプリを終了する。
- 電源ケーブルに接続する。(Macbook系の場合、忘れがちなので注意)
- 外付HDDのロックを解除した状態にしておく。
- スリープ機能等でPCの処理が中断しないよう、環境設定>省エネルギーの設定を以下のように設定する。*6
Macbook系でいろいろ長く作業するときにこれって忘れがちだよねというスクショ pic.twitter.com/1gzpkERqH2
— tricken@暁月6.0済 (@tricken) 2020年1月1日
「ディスプレイがOFFのときにコンピュータを自動でスリープさせない」にチェックを入れ、かつ、「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」のチェックを外す。これをしておかないと、外付HDDと紐付いたライブラリに関連する作業は中断してしまうし、復旧させる時にも上述した修復作業をやり直さなければならなくなる。iTunes関連の作業をする際も、これで安心だ。
上記の一つ一つが、覚えておく必要がなさそうなくらい些末な作業に見えるだけに、毎回思い出すのがしんどかった。書き留めることができて、今はほっとしている。
*1:【私事】2019-12-31の夜から元旦の未明にかけて写真ライブラリを整理していた。
*2:https://support.apple.com/ja-jp/HT201517
*3:https://support.apple.com/ja-jp/HT204967
*4:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10151903635 を参照した。
*5:この節で指摘していることは、基本的には以下の記事と同じである。違いは外付HDDがある場合に焦点を置いているかどうかである。https://anote.work/3076
Chromebook にLinuxコンテナが搭載されたので “つよいワープロ” に改装してみた
Google Chromebook がいつのまにか Linuxに対応していた。
より正確にいうと、Chromebook上で動くLinuxコンテナである「Crostini」というプロジェクトが、安定版(stable)でも動かせるようになっていた。
以前のChromebookは、Google Chrome以外は動かせず、アプリ利用はすべてGoogle Chrome内にWebアプリを導入してなんとかするという割り切った運用が主軸になっていた。こういう方針を「シンクライアント方式」と言う。
このシンクライアント方式は、当然ながらWifi環境から離れると、ほとんどガラクタ同然になってしまう。Chromebookの割り切りは、弱点でもあった。
その弱点をなんとかしようとするため、当時も少なくないパワーユーザたちが、ChromebookにむりやりLinuxを入れてデュアルブートらしき状態に仕立てるハックを披露していた。けれど、その手順はしばしば、ややこしい手段で開発者モードにしなければならなかったり、Croutonというコマンドを使った面倒な作業を経ないとならなかった。さらに、手間がかかるわりには、その状態を維持するのはかなり大変だった。総じて、あまり使いやすくないオプションだったと言える。
今回のCrostiniは、Debian GNU Linux (version は9.9) が入っている。ただし、X window system(Linuxにおけるデスクトップメタファ)はなく、そっけないターミナルが立ち上がるだけの、CUI入力から始まる。とはいえ、GNOME-terminalやAtomやVisual Studio Codeなどの、GUIウィンドウがpopするアプリも、普通に立ち上げることができる。Chrome OSの状態はそのままに、Linux経由で入れたアプリも普通に立ち上がる、という環境を手に入れることができるようになったわけだ。
これがどういうことをもたらしたか。廉価で知られつつもWifi環境などがなければイマイチ性能を発揮できないと思われていたChromebookが、オンライン環境への接続の有無を気にせずに、正規表現機能やバージョン管理機能をバリバリ使えるワープロマシンに化けた(化けさせられるようになった)、ということだ。しかも以前のCrouton時代と違って、セキュリティの低下や妙な挙動について繊細に構える必要もなくなった。
要するに、そのへんのChromebookが、「ちょっと強いPomera」としても使えるようになったと考えていいのではないか。
[asin:B01LXQZ4WI:detail]
今手元にあるAcer Chromebook CB3-532(15インチ型)は、自動更新ポリシーが2022年06月までとなっている。少なくともその時間まではChromebook側のセキュリティは保証されるとのことなので、おおよそ2年半ほどはマシンとして使ってもよさそうだ。
ところで、本記事タイトルにある“つよいワープロ”が何を指示しているのかについて、私見を述べておく。以下の条件をより多く満たすものを、私は“つよいワープロ”と呼ぶ。
- オフライン環境でも、電源さえあればテキストエディタを扱える。
- 正規表現が使える。
- バージョン管理機能がある。
- ファイルサイズや字数の制限がない。
- 上記を除く機能がほとんど備わっていないか、必要最小限である。
- 予算3万円未満で入手可能である。
従来のChromebookは、シンクライアント方式を取るため、オフライン環境でのテキスト編集に難があった。
単機能ワープロデバイスとして著名なPomeraシリーズは、オフライン環境でも仕事ができる魅力があるが、正規表現やバージョン管理がなく、字数制限が限られるなど、ワープロマシンに求められる基礎機能が未だに満たされたことがないという点で弱みがあった。
Macbookやその他のノートPCは、テキスト編集だけでなくプログラムの実行環境としても十分すぎるほどパワフルだが、どうしても高額になりがちであり、“つよいワープロ”の要件を超えて多機能すぎるという点で対象外となる。
こうした他のマシンとは違い、Linuxコンテナの恩恵を受けたChromebookは、(Google Chromeやその他のLinuxアプリをどんどん搭載していけばリッチになりすぎるという点はあるが、)上記の“つよいワープロ”の条件を過不足なく満たしうる。すなわち、
- オンライン環境でもAtomやVS Codeが使える。
- Atom やVS Codeが使える以上、当然正規表現も問題なく使える。*1
- Git を(コマンドラインでもGUIでも、どちらでも)使える。*2
- ファイルサイズや字数の制限は事実上ない。
- オフライン環境にいる限りは、Linuxアプリとしてインストール済のものでしか作業を行うことができない→限りなく単機能に近づけられる。*3
- 新品でも3万円以下のものはありうるし、中古で1万円前後のものも存在する。*4
つまり、Linuxコンテナをハックすることで、十分に“つよいワープロ” を、安価に手に入れることができる、ということが言える。
「娯楽的利用以外では、正直作文にしかPCを使わない」という人は、もう10万円以上の金を払ってラップトップPCを買う必要はないかもしれない。また、自分の普段遣いのPCが壊れたときの緊急避難として、このハックを知っておくことは、手痛い追加出費を免れるための保険として、使えることもあるかもしれない。
最小限のLinux知識を即席で身につけさえすれば、格安のChromebookをハックして、“つよいワープロ”だけで作業をすることができる……そういう「別解」を持っておくことは、悪くないと思う。
とはいえ、AtomやVSを使うまでには、多少の苦労があった。以下、その手順をメモっておく。
このハックが多少なりとも魅力的だと思えた人は、ぜひLinuxコンテナがサポートされているバージョンのChromebookを手に入れて、試してみてほしい。
(1) Crostini(Chromebook版Linuxコンテナ)のアクティベーション
以下の記事の序盤を参照。
wazalabo.com
(2) Fcitx-mozc(Linuxアプリ内日本語入力環境)の導入
ここからはいわゆるDebian/Ubuntu系のコマンドライン入力を知っておく必要がある。とはいえ、"$ sudo apt" がわかればなんとかなる程度だ。*5
具体的な導入手順は、以下が頼りになる。
kazblog.hateblo.jp
特にここに書かれている
fcitxが立ち上がってない状態(fcitx start か fcitx-autostart のどちらも一度も実行していない状態)で設定画面を開くと、Input Methodの欄が空っぽになる
は、自分自身ハマってしまった。
fcitx-config-gtk3 を実行する前にかならず一度は
$ fcitx-autostart
を実行しておく必要がある。($ fcitx start でもよいみたいだ)
(3) Atomの導入
Chromebookは、ディレクトリの表示が他のLinuxマシンと比べて素直でないので、「一度DLしたパッケージを展開して」という普通の手続きをGUI側でやることが面倒である。したがって、徹頭徹尾コマンドラインでダウンロードからインストールまでをこなす必要がある(っぽい)。
具体的には、wgetコマンドとdpkgコマンドを使うとうまくいった。
基本的には以下の手順に従って進める。
www.karelie.net
最後の方でエラーを吐く場合がある。その差異、"apt --fix-broken install" というコマンドを実行してくださいというエラー文が出てくるので、そのとおりに以下のコマンドを入力するといい。
$ sudo apt --fix-broken install
(4) Atomの追加パッケージのインストール
https://pepese.github.io/blog/atom-install-packages/
あたりにおすすめの記述が書いてある。とりあえず「japanese-menu」はどのAtom解説サイトでも推奨されているので、それだけ入れることを目指そう。後は必要が出るまで放置しておいてもなんとでもなる。
日本語フォントがこのときまでインストールされていない場合、「japanese-menu」を入れてもうまく表示されていない(Chromebook側で日本語が表示されていても、Linuxコンテナの内部では未だに日本語フォントがサポートされていないため)。もし(3) の段階でまだ具体的な日本語フォントを入れていなかった場合は、コマンドラインで入れること。*6
結果、快適にAtomが動かせるようになった。
たまにfcitx-Mozcが動作していない時があるが、そのときは"fcitx autostart" と入力すると、またCtrl+Spaceで変換ができるようになる。
【おまけ1】VS Code のインストール
教えてもらったのだが、最近はTypescriptを使った開発にVisual Studio Codeを選ぶ人が多いらしい。もちろん正規表現完備。AtomとVS Codeのどちらも動くことは確認できたので、気になる方はこちらを選ぶといいだろう。自分は以下を参考に導入した。
qiita.com
【おまけ2】Firefox安定版のインストール
ブラウザはGoogle Chromeで基本的に問題ないが、たまに「別のGmailアカウントで仕事をしないといけない」ということがある。そういう時、Chromebookは最初にアカウント名として選んだGmailしか開かせてくれない。別のGmailアカウントをChromebookに登録して、そちらのアカウントでログインしなおせば開けるけれど、その間にLinuxアプリまで閉じて移行して、Gmailの確認だけして戻ってくるのでは割りに合わない。
ということで、第2のブラウザとしてFirefoxを入れることになる。aptコマンドを以下のように打つとインストールできた。
$ sudo apt install firefox-esr-l10n-ja/oldstable
既存のFirefoxアカウントとの同期も、問題なくうまくいくことが確認できた。
*1:正規表現とは https://www.mnet.ne.jp/~nakama/
*2:Git とは Git - バージョン管理に関して
*3:決してNethackなどの楽しいゲームアプリを入れてはならない。
*4:ただし、Chromebookのセキュリティサポートが最長でも6年前後しかなく、中古品に至ってはさらにそれらより消費期限が短くなっている点については、注意が必要だ。詳しくは「Google Chromebook」「自動更新ポリシー」等で検索をかけること。公式ページでは、各Chromebook製品のサポート期限を呈示している。自動更新ポリシー - Chrome Enterprise and Education ヘルプ
*5:sudo は UNIX/Linux系コマンドラインにおける、スーパユーザ権限の宣言のこと。apt はLinuxのディストリビューションのうち、Debian系およびUbuntu系に属するLinuxディストリビューションで使用可能な「パッケージ管理システム」用のコマンドのこと。Chromebookに搭載されているLinuxコンテナは、本文にも書いたとおりDebian 9 stable であるため、apt コマンドでインストールしたいパッケージを指定することになるわけだ。これがRedHat系だと dnf、Slackwareだとpacman など、同じ状況で唱えるべき呪文が違ってくる。とはいえChromebookのハックにおいては、とにかく apt から始まるコマンドラインのことさえ調べれば事足りるようになっている。
*6:余談だが、AtomがPCにインストールされた時点で、"$ apm install
adidas questar ride B44806
大した話ではないが、こういう細かいのをローカルメモに置いておくのは脳に余計な負荷がかかるので、ブログにメモっておく。
B44806 モデルが足に合う。
NIKE等は幅狭が多いため、しっくりこない。またNew Balanceも悪くないが軽さ、ランニングへの適性という点ではこのクエスターライドは悪くない。今度もおそらくこれを買うことになる。