『この世界の片隅に』映画化プロジェクトを応援する

珍しい、劇場映画のクラウドファンディングが始まっています。
こうの史代(漫画)原作、片渕須直監督による『この世界の片隅に』の映画化プロジェクトです。

▼『この世界の片隅に』映画化プロジェクト頁 / powerd by Makuake
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#2015年03月11日01:10時点で、上記のようなTOP画面になっています。

原作は、戦中を物語るものとして非常に優れた作品です。昭和十年代後半、呉に嫁いだ若い女性が必死で生き続ける様を淡々と描写した原作は、こうの史代の初期キャリアとして評価された広島原爆をテーマにした作品『夕凪の街、桜の国』よりも一層踏み込んで、好戦フレームも反戦フレームも介入する余地なく、ナチュラルに戦中の日本人の生活感を掬い取っています。

また、片渕須直監督は、このプロジェクトに先駆けて、NHK『花は咲く』のMVとして、こうの史代キャラクターデザインによる映像作品を上梓しています。
実は一度、縁あって阿佐ヶ谷のスタジオMAPPAまでお邪魔して、企画段階の『この世界の片隅に』資料を拝見させて頂いたこともあります(その時の同人誌では、片渕須直監督のインタビューを読むこともできます。現在入手難かもしれませんが……)。広島〜呉の原爆投下のマップを忠実に考証されていました。プロの郷土史家に迫る膨大な資料をもとに作品の製作が進められていることが垣間見えました。

あまりこういう言い方をすると行儀が悪いかもしれませんが、映画化されれば『火垂るの墓』の現在のポジションを一部刷新してしまうでしょう(完全に置き換わるのではなく、「戦中」に関する私達の考え方そのものが、大きく変容するためです)。それくらいの作品が、高水準で映像化されることが既に半ば以上、約束されています。

ご興味のある方は、ぜひ最低額の2000円からでも支援お願いいたします。3月11日現時点で目標2000万円の半分を超える1000万円が集まっていることからみても、既に映画化の価値を信じ、実現に強く期待する人が大勢いることが伺えます。

そしてぜひ原作も読んでみてください。新装版は単行本前後編2冊で買えますが、初版の三冊はKindleですぐに読むことが可能です。

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一方、単行本版で揃えて何度も読み返したい方には、新装版の前後編2冊がおすすめです。
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