オンライン読書会「RP4G」(2015-):設立・運営主旨と会則詳細
オンライン読書会募集(2015.07.22)にあたって、「会則」の項目が少々長すぎたため、別途切り出しました。内容はほぼ変わっていません。文献紹介は元記事をご覧ください。
なお、本読書会は以下の2つの区分があります:
- 当座の企画名:「とりっ講」(「ゆうずうの利く理論社会学・アナログゲーム系文献講読会」)
- 研究団体名:Associaton of Radical Pragmatism for Game Studies(略称「RP4G」、日本語訳する場合は「ゲーム・スタディーズのためのラディカル・プラグマティズム研究会」)
どうしてそれぞれそういう名前なのか*1、なぜ区分しているのかは、会則の中で説明しました。
(1) 募集期間
特にありません(いつでもよい)です。
ただし、とりあえず第一回から1,2回先取りして行う予定の Greg Costikyan 2002年論文(Costikyan 2002)についてご興味のある方は、2015年07月27日(月曜日)までお知らせください。したがって、(のちほど紹介するような)社会学・社会哲学系の書籍に関心のある方は、だいたい2015年08〜09月までに声を掛けてもらえれば、リクエストにお応えすることができると思います。
(1-2)【追記】【通信メンバー】(周縁メンバー)募集
07/22に初稿を呈示したところ、
- 「興味深いが、フル参加は難しい」
- 「部門αもβも気になるからこそ参加に躊躇するなあ」
- 「ついていけるか心配」
- 「でも継続的に情報は欲しいかも」
といった意見・要望を複数いただきました。
それに対応するため、メンバーシップを二種に分けたいと思います。
- 【関与メンバー】。文献ごとの「第nシーズン」で区切られるような読書会開催中に参加するメーリングリストで議論を行います。文献と沿わないなと思ったら、入退会はいつでもできます(気分で一度外れたり、戻ってきたりできる)。
- 【通信メンバー】。文献に限らず、この種の議論に当座の関心はあるため、情報共有に関わりたいとは思っているメンバーのMLです。もし風向きが合えばたまには「関与中メンバー」のMLに入って読書会もしてみたいが、そうなるかはまだわからない、くらいの状況である(結局読書会には参加しないかもしれない)。これも入退会は自由。
なお、【関与メンバー】は、自動的に【通信メンバー】にも入ることになります。【関与メンバー】の方を退会した後も、【通信メンバー】のやりとりで新スケジュールや新情報を得ることができるほか、また【関与メンバー】に加わる機会を検討することができます。
ただし、基本的な態度としては、会則および会則原案の定める指針をどちらのメンバーシップにも適用するものとします。会則の中には「実際に参加する際の規定」にまつわるものもありますが、これはひとまず【関与メンバー】に加入したひとに当てはまることとしてお読みください。
というわけで、【関与メンバー】【通信メンバー】の二種類に分けて再募集いたします。
(2) 読書会企画の概要
「とりっ講」(またの名を「ゆうずうの利く理論社会学・アナログゲーム系文献講読会」)は、「@tricken が、読みたい文献を選んで、少しずつ読んでいく、オンラインの“精読系”読書会サークル」です。
選択する文献は、原則として「英語圏」、つまり英語で書かれた文献です。しかも、「英語さえわかっていれば文脈なしに誰でも理解できる」と言い切れるほどには簡単でもないものをしばしば選びます。ですから、敷居はそんなに低くない(参加難易度が高い)と言えます。つまるところ、「trickenの友人知人なら誰でも参加して楽しめるよ」と請け負える種類のものでは全然ありません。
また、@tricken 自身も(最近はなんとか部分的に解決してきましたが)博士課程に進みながら、系統的な文献読解に関しては必ずしも優等でなかったというザンネンな傾向もあり、その辺のサポートを参加メンバーに対して負いかねるところがあります(ごめんなさい)。
それでも、今回取り上げるタイトル群は、「@tricken が、かつて個人では読めてこなかったが、やっぱりいつかはきちんと読んで、何らかの知的貢献(tiny contributions)を残す努力をしたいなあ」と思っているものばかりです。中には別の機会で既に一部は読み終えているものも入っていますが、全面的に“精読”したとは言えない状況であり、今回はそうしたものも採り上げています。
ちなみに、なんだかんだで高校英語あたりまでの英語に関しては、(一時大学受験指導をしていたこともあり)再-学習用の教材を推薦することもできます。そういう意味では、知識系統への“あこがれ”が揃いそうであれば、ぜひお声がけください。このへんの知識提供含め、この読書会では一切賃金・報酬等は発生しません(なぜなら、自分が読みたいものを読むというプライスレスな価値を実現するために敢えて立てるサークルですから、それに沿う知識だったらガンガン distribute (伝播)させてゆく所存です)。
さらに言えば、精読対象となる文献に関する討論を介して、自分も皆様から色々教えて貰えればいいな、と考えています。
(3) 運営手続き
詳細はまだ詰め切れていませんが、おおむね以下の条件で進行させてゆく予定です:
- Google(Gmail)で新たに立ち上げるメーリングリストと、Skypeのボイスチャットを利用します。
- 開催日は不定期ですが、平日の夕方 or 休日の午前/昼/夕方の開催を見込んでいます(集合時間や開催頻度は、集まったメンツから遡及的に確定させてゆきます)。文献の難しさと、@tricken の読解力にもよりけりですが、概ね{1週間ごと/2週間ごと/1月ごと},あたりのどれかの期間で落ち着くことになると予測して頂いて構いません。
- @tricken が GoogleDrive等に「レビュー(精読対象となる文献のメモ)」を置き、それを開催日当日の1~2日前まで読んでもらう、という手続を踏みます(当日に投稿するくらいであれば、開催日それ自体を延期することにします)。
- @tricken の実生活が忙しくなったり、メンバーが揃わなくなったりした時は、MLや会合が自然消滅することもありえます。ただし、@tricken が読みたい文献として、今回呈示した文献群は当面動かないため、10年単位で断続的に読書会は続けてゆきます。もし本Blog(『Trick or Think?』を畳むことになった後も、別の個人Webサイトで同様の読書会活動は気長に行っていく予定です。要するに、@tricken がふらっと社会から消えていなくなってしまうまではこのサークル活動は継続します。)また、持続させたいにも関わらずどうしても条件が整わない、という時は、3ヶ月ほどを目安に「休会」宣言を行うことを約束します。スケジューリングをサボって、「あの読書会成立してるんだかしてないんだか」みたいなことを参加メンバーに思われないよう、主催者としてできるだけ白黒つけてゆくことを努力します(もしこの項目が守れていなかったら、ぜひとも運営の詰めの甘さを批判してください)。
- 当日、集合時間から最低1時間(拘束時間をハッキリさせるため、少なくとも初期は最長2時間を厳格に守る)ほど、発表と討論を行うことにします。「読解の確かさ」「内容の吟味」「議論の文脈」等は、どの順番で語っても良いです。もし時間が不足したとしても最大約2時間で終わらせ、それ以降はMLやチャットで代替するか、次回に持ち越す、ということにします。
- 議論に関しては、原則として「議事録ドリブン」を採用します。Google Driveを利用して、思いついたことを好きにメモったり、Dropbox等のファイル共有サービスでどんどん共有していく、というのが「議事録ドリブン」です。ただし書記などは置きません。各自で行う。MLで良さそうだと思った話は後でGoogle Driveなどにコピー&ペーストしてもよいこととします(この手続に関する著作権保証についてはのちほど補足します)。
- ただし、集まっても読む文献が一致しない、ということがないよう、読書会の部門を2つに分けます。その上で、メンバーに「(以下の)どちらの部門にヨリ強い関心があるか」を必ず選んでもらうことにします:
- α部門:【理論社会学】。主に〈相互行為論〉〈社会構築主義〉〈情報社会論〉〈知識社会学〉〈芸術社会学〉〈行為哲学〉などにまたがる重要文献を読んでいくことになります。時にワンオフ(1回限り)で、日本語での社会学文献を扱うこともあるかもしれませんが、2回以上にまたがる連続読書会としては、全て英語圏の文献となります。
- β部門:【近現代アナログゲーム研究】。聞きなれない分野だと思いますが、game studies というここ20年弱ほどで勃興してきた領域横断的な学問*2のうち、なかなか(現在流行っており一程度以上の支持を勝ち得ているvideo game 研究とも、伝統ゲーム (traditional games) 遊戯史研究とも異なる重要な研究としていまいち見なされていない)、「近現代アナログゲーム」というジャンルを、理論的*3に考察している文献の精読を行います。
特に自分は、個人的専門として会話型 Roleplaying Games(会話型RPG,日本でいうところのTRPG)とその周辺に関する英語文献を読むことが多く、その界隈の“理論的”考察の射程の広さをどうにかして共有してゆけないかということを長らく模索してきました。ですから少なくとも初期はRPG研究の著書を優先的に選んでゆきます(ある程度冊数をこなした後は、RPGに限る必要はありませんが)。
- 参加を表明される方は、以下の3つの選択肢の中からどれか1つだけを選んで、参加表明してください:
- (1) α部門のみの参加
- (2) β部門のみの参加
- (3) α部門,β部門両方の参加
- その上で、(最初の一部の文献を除き)α部門とβ部門の両方にまたがる文献から先に消化してゆくことになります(それに該当する書籍が、後述する読書会候補リストの中に2~3冊あります)。したがってα部門とβ部門が相互に“分科会”になるのは、ずいぶん先の話になります。
- (※ではなぜわざわざ部門を分けるかというと、社会学しか期待しないメンバー、ゲーム研究しか期待しないメンバー、どちらに該当する方も、 @tricken の目指す領域の読書会の参加者としては、最終的に「コレジャナイ」感、違和感が出てきて、読書会がつまらなくなってしまうことが、容易に予測されるためです。ご存知ない方のために改めて説明しますと、自分は「RPG等アナログゲームの分野で」「相互行為論スル」ということを実演するために勉強をしてきました。したがって少なくともこの読書会ではα部門もβ部門も、お互いの領域を尊重して読んでいく、ということをぜひとも共有していただきたいのです。それを通じて、@tricken がモニャモニャしながら普段言わんとしてきたこともまた、多少は社会学系にとって、ゲームスタディーズ系のひとにとって、それぞれにとって互換性を獲得していけるのではないかという、そうした狙いがあります。そしてこれは、私のような野党的な思索を続ける人間にとって――他にも幾つも読書会を開けるメンバーとして所属しているゲーム研究会があるにもかかわらず、新規で独自の読書会を自分で立ち上げなければならないほど――差し迫った問題、ある種の生存戦略といってもいいことなのです。)
- 文献の購入は基本各自の入手ということでお願いします。ただし、章ごとの読解等は、部分的には(合法の範囲内で)協力できないこともありません。しかしながら、「単行本として全部読む」という目標が読書会において定められた際は、やはり購入して戴くことが原則となります(とはいえ、今回の文献リストの中には超高額なのもあるので、最終的には参加者が集まった後の個々の相談になりますね)。
- 入会および脱会は原則自由とします。ただし入会にせよ脱会にせよ @tricken に必ず連絡・報告してください(相談はしなくて大丈夫です)。「うーん違うな〜」と思ったら別の読書会を開く、というのが、自由主義かつ個人主義にのっとった正当な行いであるので、私は細かいことは気にしません。むしろもっと面白い読書会企画ができたら、ぜひ誘って下さい。ただし自分のある種の“持ち場”として、この読書会サークルそれ自体は(運営形式の多少の変遷はあれど)当面維持していく予定です。
- サークル加入資格は何もありませんが、例外規定として、「以前どこかで、個人的モチベーションを理由にサークルの和を大いに乱したことがある方」や、「以前 @tricken と大きな行き違いがあった方」は、申し訳ありませんが 本Blog FAQに記載している規定に基づき、参加をお断りさせて戴くことがあります(これは極めて親しい友人にも“等しく”適用されますので、断られたからといってあまり気にしないでください。個々人として楽しく付き合うことと、ある種の企画活動を駆動させてゆくことは別立てだというだけの話です)。あらかじめご了承ください。もっとも、これを適用するのは相当レアな事例だと思って差し支えありません。99.99%の方は気にしなくていいはずです。
以上が、読書会のおおまかな会則原案となります。
以下、幾つかの重要な補則を入れてゆきます。
(4) 補足A:“輪読”オプションについて
会則原案を読んで頂ければ明らかな通り、基本的には、「ずっと @tricken が review 用のテキストを作り、それを叩き台にしながらみんなも読んでいく」という会になります。ずっと俺のターン! ツライっ!
ただし、「自分もぜひ担当してみたい」という方には、一部発表をお任せする場合があります。ただ、担当すると宣言した上では、必ずある程度以上は「出力」、つまり「その時間、大の大人が複数人集まって知的検討に値するコストを支払うだけの何事か」を持ってくることは――規範としてではなく、個々人が時間コストを支払うという作業を行っている以上、ある種の必然的帰結として――要求いたします。
「えっ、ちょっと厳しすぎね?」と思われるかもしれませんが、自分主宰のゼミをわざわざ立てるのは、そのへんとも関連しています。要するに、“自分の能力に見合った範囲で不定期開催したいな〜” という気分の実現を第一の目標として置いているのがこの「とりっ講」です。したがって、(大学や大学院その他の正統アカデミズムの研究会・研究室・ゼミナールのような)他の方の何らかの読解能力の向上やプロフェッショナル育成に貢献することを第一目的として開催する精読会ではありません(また、そのための資格や能力を私は持ちませんし、そうしたものを背負うリスクは決して負えるものではありません)。そのへんの趣旨をご理解いただけない方は、メンバーとして参加した後も、一度MLから離れていただくか、発表機会を与えない措置を取る場合があります。これも、会則の一部としてご理解ください。
そういう会則を踏まえて、この会の運営は、少なくとも第一シーズンとしては「ずっと俺のターン!」を原則とします。要するに、そういう勉強会にお付き合い頂ける気長な方を、めっちゃ都合良く募集しております。へへへ。
(5) 補足B:非-社会学的文献についての扱い
ところで、@tricken は、今回紹介した部門α【理論社会学】や部門β【アナログゲーム研究】のようなものとは別に、ガチで思想的・儀礼分析的なもの――〈宗教社会学〉〈宗教学〉〈文化人類学〉〈東洋思想〉〈形而上学〉――といったものも、副次的な研究ジャンル(あるいは、それに満たない「趣味」として)よく読みますし、またそうしたものは部門αや部門βとは完全には無縁だとは全く思っていません*4。
しかしながら、そのジャンルあたりになると、現代社会において相当程度、「取り扱いが注意なもの」であると認識しています。したがって、いま取り上げたようなジャンルは、どんなリクエストがあったとしても、この「とりっ講」では原則扱いません。そういうのをわざわざ「とりっ講」で扱いたいと自分が思った際には、この「とりっ講」自体を畳む所存です。
一方、@tricken とそっち関係の読書会がお好みの方は、別途そういう思想系読書会を別途立てることがあるかもしれませんので、そちらをご利用ください*5。そちらを立てることになっても、今回立てたような会則と同じ方法論で運営します。ただし、日本語の思想家でいうと井筒俊彦や鈴木大拙など、宗教学・東洋思想にきわめて近しい人々の文献を学術的に読んでいこう、という会合になる性質上、「えっ、なんかのカルト集団ですか?」と識別されるリスクがとても高いです*6。
もっとも、そっち方面の学問的に系統立てて観察していただけるなら、ほとんどそういう誤解は起き得ないと信じてはいるのですが、そういうある種の知識の系統性にあてこんだり、(自分含めて)人間の認知能力や裁量の適切性を信用して何かの共同体を作ると、たいてい後々ろくな事にならないというのは、歴史の教えるところです。
ですから、重ねて、「とりっ講」ではそういう話はしませんし、文献候補にも置きませんよ、ということを、ここで念押し致します。
(6) 補足C:読書会の著作権管理について
ところで、本読書会「とりっ講」(「ゆうずうの利く理論社会学・アナログゲーム系文献輪読会」)は、実のところ「企画」の名前であり、任意の研究団体としてはAssociaton of Radical Pragmatism for Gamestudies(略称「RP4G」、日本語訳する場合は「ゲームスタディーズのためのラディカル・プラグマティズム研究会」)と題します。
なぜそういうことを言うかというと、本企画に関連するメンバー全員のコンテンツは、原則「Creative Commons License 4.0 (BY)」を適用し、その団体名として「RP4G」を適用するためです。
※「RP4G」の著作権管理方針:
Associaton of Radical Pragmatism for Game Studies(略称「RP4G」、日本語訳する場合は「ゲーム・スタディーズのためのラディカル・プラグマティズム研究会」 を著作者とするこの 作品 は クリエイティブ・コモンズの 表示 4.0 国際 ライセンスで提供されています。
Creative Commons License (CCLと略)がいったいどういうものかについては、以下を御覧ください。なお、本記事を含む『Trick or Think?』も、実はCreative Commons Licenseによって提供されています(ただし単著であることから、「BY」ではなく、「BY-NC」としています)。
「え、なんでそんなめんどくさいことすんの?」「なんか儲けようとしてんの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。しかし、これはむしろ今後の揉め事を回避するための手段として(私は)考えています。
なお、ここでいう「BY」とは以下の意味を指します:
- 「BY」:「著者名(この場合「Associaton of Radical Pragmatism for Gamestudies」「RP4G」など)さえ書けば、後はどういう風に二次利用しても構いませんよ。
より詳細な(法的な)内容はこちらになります。
クリエイティブ・コモンズ (Creative Commons) — 表示 4.0 国際 — CC BY 4.0
つまり、一部記述について“「RP4G」の記述を採用しました” と分かるような宣言や言及をしてくれれば、それですぐさま、本読書会の全員の著作を利用可能である。そういうことです。
なぜこんなことをするかといいますと、ここ四半世紀の(パソコン通信時代含む)情報社会の歴史的反省を踏まえています。90年代までのアマチュア有志の翻訳や議論というのは、原稿著作権法に従うと、色々困ったことが起きるのです。たとえば、何十名もの人たちにしっかり連絡を取れる連絡網を整備しておかないと、5年や10年経った後になって「あのひと1人だけが行方不明なので全員の許可が取れない」「詰んだ」「オワタ」「もうダメポ」など、合法的な転記や二次利用が不可能になる事態が後を絶たなかったのです。
そうした悲劇をいい加減繰り返さないよう、「とりっ講」では、「RP4G」という団体名を取得し、{ML/GoogleDrive/個々人PDF}その他の二次利用を(商業利用含めて)簡便に行えるようにしています。もし学術的に引用したい場合は、同人誌でも電子書籍でもなんでも構いませんから、出来る人で出版してから引用するというマッチポンプ的な処理も、法的には可能だということです(「とりっ講」および「RP4G」研は、そうしたことを“手間”と捉え、その“手間”を乗り越えて言説の俎上に載せる人の邪魔をしません)。
ただし、本読書会に参加された際は、著作権まわりに関する以下の2点にはくれぐれも注意してください:
(6-1) 【外部メディア言及について】:
MLの外でも、「とりっ講」で論じられた内容に言及することは可能です。ただし、MLや読書会に関わることで、合理性の不足した誹謗中傷に該当する行動(たとえばFacebookやTwitter等、SNSにおいてですね)が観られた場合は、会の主宰として、予告通知等のない強制退会処理を行なうことがあります。(逆に、@tricken がそうした行動をしているとみなされるような場合は、「いっそ会を畳んでしまっては」とメンバーから提案してもらうよう、ぜひお願い致します。)
また、上記と関連して、政治的な注意も喚起しておきます。本会では社会哲学に近い議論を扱いますが、そこから歩を進めて政治的言説を流布するような場として使うことは禁止します(そういうのは、もしかしたら、むしろ公共的にはいいことに繋がるかもしれません。しかし少なくともこの場では、他所でやることにしておきましょう、先取りしてそういう取り決めをしておきましょう、ということです)。
(6-2) 【著作者人格権について】:
先に説明した通り、著作権管理は Creative Commons License 4.0(BY)としていますが、これは著作者人格権を放棄したものでは“決して”ありません。なぜこんなことを言うかといえば、@tricken 個人に対してはぶっちゃけどうでもいいんですが(いやどうでもよくはないですけどね?)、@tricken 個人とその他の方々の尊厳とを区別して扱い、小集団内において個々人の尊厳を守るということも、私は一程度責任を持ちたいと考えています。@tricken個人名義でなく、「とりっくんゼミ」「RP4G」というCCLライセンスを適用しているというのは、そのような含み・経緯があります。
したがって、ML所属者その他の人格を侵害するような行為は、CCLを適用してもなお許されるものではないことは、著作権法などを自発的に学ぶことを通じ、理解と実践に努めてください。また、これに従っていないな、と主催者が見なした場合は、著作権法に一切違反しない方でも、主催者判断で“キック”(=強制脱会処理)と事後通告を行います*7。
会則原案において、メンバー資格に関して「個人的に親しい友人でも、入会を認めない場合がある」と書いたのは、自分が実に思想的に徹底した個人主義者であり、上記に述べたような“(健全な)議論の基礎”を無視するようなごく一部の方とも――一緒に企画をやる、ということを避ける限りにおいて――人格的尊重を、決して捨てないことにしているためです。このあたり、「なんであんなヒトデナシと絶交しないんだ‼︎?」とたまーに元・友人知人や身内からも批判されてきた、そのくらいには @tricken が徹底した個人主義者である、ということは、改めてここに補足しておきます。
ただし、そういう個人主義者である側面は、会を運営するにあたっては相性が良くないということも最近痛感しております。ですから、とても親しい友人であっても、少なくとも今回の「とりっ講」「RP4G」については、入会を認めないことがありうる、というわけです。要するに、共同体の責任を負うに当たってのひとつの妥協案です。
逆に言えば、人格尊重さえしていれば、いい感じに手厳しいコメントの応酬とかができればなとは(主催者としては)考えております。どのへんから知的手厳しさであり、どのあたりから人格攻撃と看取されうるかは実のところ是々非々なところがあり難しいと思いますので、そこらへんは主催者自身も、考え続け、適切な対応を怠らないようにしてゆきたいと考えております。
(7) 会則原案まとめ
以上に述べた細く含め、会則めいた内容は、(2015.07.22Wed現在において)“運営原則”として採用し、今後の会則・ルール改定においても、ある種“憲法”のように働く、とします。改めて整理すると、おそらく以下のとおりになるでしょう:
(第1条) 「とりっ講」(サークル名:「Associaton of Radical Pragmatism for Gamestudies」、略称「RP4G」、日本語訳する場合は「ゲームスタディーズのためのラディカル・プラグマティズム研究会」)は、オンラインで、不定期に行なう、非営利の読書会サークルであること(本会はtricken が存命中は、インフラを変えつつも原則維持される可能性が高いことを宣言する)。
(第2条) 扱う文献は主に社会学の、相互行為論や(アナログ)ゲーム研究のうち、@tricken が特に重要と目した文献群であること(したがって、主催者が別途学問的に扱う東洋思想・宗教学等の、やや政治的・思想的な扱いのめんどくさいほうの“地雷”度の高い人文は扱わず、あくまで経験科学・社会哲学の範囲に限ること)。
(第3条) 精読結果の発表は、少なくともごく初期の原則として、読書会の主催者本人(@tricken)以外は行わないこと。ただし参加者の希望や遂行能力によっては“輪読”に変更することも厭わない。一方で、引き受けたにもかかわらず「当日まで頑張りましたが、間に合いませんでした」とやることは、(長期に何度かやってしまうならまだしも)何度も繰り返す人には、主催者から厳しいメンバーシップ権限の見直し(ML脱会処理など)を行う可能性があることに十分配慮した上で、各自チャレンジすること。無償・無料の互助的サークルならではの、特殊なルールがあることを承認してもらうこと。
(第4条) 本会には、(大学制度などによって担保されるような)学術的正統性は全くないことを改めて明言する。したがって、学術的正統性の押し付けもまた、(どのような学問的出自を持つ人も)この会合において行うことはできないものとする。ただし、主催者自身は、仮にも教えられた規律-訓練の伝統を尊重して作業を行うことを努力するし、そうした学問の価値を根本的な水準から毀損するような行為は拒否することを約束する。
(第5条) 会の活動や言説は「RP4G」という名称・略称でCreative Commons License 4.0(BY)管理下に置かれ、主催者(@tricken)もこの例外ではないものとする。この範囲内において、参加者は(仮にこのサークル自体が休会・消滅した後も)その団体名義を用いることで、自由にMLやGoogleDriveの資料を扱うことができる。ただし、Creative Commons License は、著作者人格権の侵害については全く認めていないため、各メンバーは重々気をつけて公共的に言及すること。
会則に関しては以上です。
*1:なお、命名に際しては、 @thinkeroid さんのご協力をいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
*3:系統だった方法論の整理とセットで語られた、くらいの意味合いです。
*4:社会学者でいうと、デュルケム・ウェーバーなどの古典社会学に属する方々は、社会に存する宗教的規範の研究に関する重要な著作を多々残しており、その点で、社会学的理論・視座の一部は、〈宗教社会学〉の基礎理論、規範や儀礼の分析によって成り立っていると言っても過言ではないと考えています。
*5:本当に立てるかはわかりませんが、仮タイトルとして「ゆず読み坐」みたいなゆるふわタイトルを考えています
*6:「wwwwwwwwww」と草を生やしながらこの一文を書きました
*7:事前通告さえ行わない可能性がある、ということを見越して、ぜひ気をつけていただきたい、ということです。